研究課題/領域番号 |
63570645
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
愛甲 孝 鹿児島大学, 医学部, 助教授 (60117471)
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研究分担者 |
馬場 政道 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (60198950)
吉中 平次 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (80191625)
高尾 尊身 鹿児島大学, 医学部附属病院, 助手 (80171411)
島津 久明 鹿児島大学, 医学部, 教授 (30010242)
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キーワード | 消化器癌 / リンパ行性転移 / リンパ指向性物質 / リンパ管構築 / イカ墨汁 / 多孔性ガラス |
研究概要 |
消化器癌のリンパ行性転移は普遍的現象の1つであり、血行性転移とともに臨床的には、その対処が強く求められている。しかし、この方面の研究に関しては、研究方法の困難性からこれまで系統的な解明がなされていないのが現状である。今回の研究において我々は、消化管のリンパ流とリンパ管構築について、独自に開発したりリンパ行性物質であるイカ墨、多孔質ガラスによる透徹標本を作成し微細構築およびリンパ流を検討してきた。 1.リンパ指向性物質の開発:今回の研究においてイカ墨汁ならびに多孔性ガラスがリンパ指向性物質として極めて有用性であることを発見した。前者はメラニンを主成分とする蛋白複合体で、リンパ節内の網内系細胞に高率に取り込まれることを電顕にて確認した。また、従来の色素は自然炭粉沈着との鑑別は不可能であったが、イカ墨汁は過マンガン酸カリ・シュウ酸による脱メラニン染色により、メラニンが漂白されるため識別可能であった。したがって、胸腔内および上部消化管のリンパ流のよい指標となることを確認した。また、均一な微粒子体であるためリンパ管構築の形態学的観察の指標としても有用であった。後者の多孔性ガラスは珪酸、ホウ酸で処理した細孔性のケイ酸質系材料であり、リンパ指向性ばかりでなく細孔構造も安定しており種々の化学修飾が可能である。 2.リンパ流およびリンパ管構築の解析方法の確立:上記のリンパ指向性物質にC^<14>にラベルした溶連菌製剤を吸着させて、目的とする消化管粘膜下に注入する方法を確立した。本法はリンパ流を視覚的にかつ数量的に解析することができることと、透徹標本を作製し実態顕微鏡および電子顕微鏡にて微細構築を解析可能であるという利点がある。 3.上記基礎研究に基き、現在まで別紙のごとき研究成果が得られた。
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