研究課題/領域番号 |
63570646
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
由良 二郎 名古屋市立大学, 医学部, 教授 (90079997)
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研究分担者 |
水野 勇 名古屋市立大学, 医学部, 講師 (20157506)
四ツ柳 智久 名古屋市立大学, 薬学部, 助教授 (40080189)
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キーワード | アドリアマイシン封入リポソ-ム / 転移性肝癌 / 経門脈投与 |
研究概要 |
実験的検討では、アドリアマイシン封入リポソ-ムの経門脈投与はVX2腫瘍を用いた転移性肝癌モデルの生存率の有意な増加を認め、その有効性が確認された。さらに、本投与法が臨床的に安全であることを種々の面から検討し、転移性肝癌の治療を目的として臨床応用の検討を行なった。10例の転移性肝癌患者(胃4例、直腸4例、結腸、子宮各1例で、H_2が3例、H_3が7例)に、アドリアマイシン封入リポソ-ム(20ー30mg/2weeks)の経門脈投与を行なったが、術後の平均生存期間は439日であった。また、リポソ-ムが関与すると考える副作用や肝機能障害や骨髄抑制も認められなかった。この結果は、以前にアドリアマイシンやMTXー5FUを経門脈的に投与検討した症例の平均生存期間が141日であることを考えると、有意に生存期間を延長したといえる。今後は、門脈系臓器の術後の肝転移防止のために、アドリアマイシン封入リポソ-ムの経門脈投与の効果が期待される。
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