研究課題/領域番号 |
63570647
|
研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
小島 治 京都府立医科大学, 医学部, 助教授 (30117882)
|
研究分担者 |
高橋 俊雄 京都府立医科大学, 医学部, 教授 (50079828)
|
キーワード | 胃癌組織内の性ホルモンリセプタ- / 胃癌の内分泌療法 / 胃癌とER及びPgR / 胃癌組織内のER、PgRと予後 / 胃癌術後のタモキシフエン投与 / 胃癌術後のMPA投与 / 胃癌のERの特異性 / スキルス胃癌と内分泌療法 |
研究概要 |
(1)胃癌組織内のestrogen receptor(ER)のDCC法による検討及び庶糖密度勾配法による胃癌ERの特異性の検討:Borrmann3型または4型であった26例について、DCC法にて胃癌細胞核分画とサイトゾ-ル分画のERを測定し、4例のサイトゾ-ルと1例の核分画に陽性を認めた。4例中2例のER陽性例で、progesterone、ccrtisol、testosterone、DHT、DES、E_2-17βを用いて特異性を検討したところ、DES、E_2-17βで特異的に胃癌をERをblockした。 (2)胃癌組織内のER・PgR(Progesterone recrptor)の局在及びER・PgRと胃癌の予後との検討:ERの陽性率は29.0%、PgRのそれは10.3%であった。ERは若年者の女性、scirnous typeの癌に陽性率が高かった。10年生存率ではER陽性群では15.7%、ER陰性群では62.7%と両者の間に有意の差が認められた。次にPgRの検討でも、陽性群では18.2%、同陰性群では48.3%と有意に陽性群に予後不良であった。 (3)スキルス胃癌に対するタモキジフエン(TAM)投与による内分泌療法。胃癌の治療切除群にTAMを投与し、TAM投与群で術後1500日生存率66.0%、非投与群53.0%であり、TAM投与群の方が予後良好であった。非治癒切除群でもTAM投与群で36.9%、TAM非投与群で15.4%と同様であり、タモキシフエン投与により予後の改善を認めた。 (4)スキルス胃癌に対する黄体ホルモン(MPA)投与の検討:6例に投与し、若干の予後改善を認めた。 (5)胃癌培養株に対するMPAの投与:KATOIII株で、10^<-6>〜10^<-7>Mで抑制的に働いた。 以上より、胃癌細胞も女性ホルモンにregulateされる例もあり、術後の補助療法としてタモキシフエン、MPAの内分泌療法は有効であると考えられる。
|