研究概要 |
胸部大動脈を環状切除し有茎広背筋々弁にて作成した代用血管を用い大動脈を再建した後,筋弁部に細菌を接触させ、汚染術野における代用血管の可能性を検討した。 C群(3頭)にはE.coli 1〜3×15^5個,/20ml,D群(3頭)には、結腸内容 300〜500mgを20mlの生食に溶解し吻合部及び筋弁に散布した後,1000mlの生食にて洗浄した。その結果,C,D各群に1例づつ,術後10日以内の死亡例を認めたが死因は不明であった。生存例の4例では吻合部の創傷治癒状態や仮性内膜の状態は,無菌術野のそれと概ね同様の状態であった。筋弁部の動脈瘤化は認められなかった。創検時の肉眼所見では筋弁は軽度に菲薄化していたが、十分に大動脈圧に耐え得る強度を保っていた。
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