• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

1988 年度 実績報告書

脳浮腫液の透過・移行および吸収に関する免疫組織化学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570682
研究機関長崎大学

研究代表者

柴田 尚武  長崎大学, 医学部, 助教授 (50039517)

研究分担者 井上 靖久  長崎大学, 医学部, 講師 (80128157)
越智 章  長崎大学, 医学部, 助手
キーワード脳浮腫 / 免疫組織化学 / 電子顕微鏡
研究概要

HRPの皮下注により前もって抗HRPを産生させておいたラットを用い、塞栓法や凍結損傷法により脳浮腫を作製し、摘出した脳に酵素抗原法による免疫組織化学的染色を行い、自己血漿蛋白(抗HRP抗体)をトレーサーとして、浮腫液の血管透過のみならず、その後の移行および吸収について光顕・電顕で観察した。
1.光顕所見では、虚血3時間後では抗HRP抗体の血管外漏出はみられず、虚血および凍結損傷24時間後では病巣部小血管より漏出し、白質線維に沿って広がり、脳室壁まで達していた。途中に存在する神経細胞、グリア細胞への抗HRP抗体の取り込みがみられた。次いで浮腫液は上衣下層-上衣接着帯-脳室内と、上衣下層有窓毛細血管-脈絡叢静脈-内大脳静脈の2つのルートを通って吸収されると考えられた。
2.電顕所見では、抗HRP抗体がlumenに開口したvesicle、内皮細胞内vesicle、basal laminaの内側に認められるところからvesicular transportが考えられた。一方、tight junctionを通過する所見はみられなかった。さらに現在観察中の事項としては、神経細胞へ取り込まれる経路として、障害された細胞膜を通って直接侵入していくルートか、軸索周囲腔に流れ込んだ浮腫液が障害された軸索膜から取り込まれ逆行性に流れ込んでくるルートかの解明、あるいは浮腫液の吸収機構として脳室上衣下層、脳室周囲器官、脈絡叢静脈の静脈性窓あき毛細血管の超微形態と浮腫液吸収の機序の解明などである。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (3件)

  • [文献書誌] 柴田尚武: 脳卒中. 9. 340-347 (1987)

  • [文献書誌] 柴田尚武: Neurologia medico-chirurgica(Tokyo). 27. 815-818 (1987)

  • [文献書誌] 福嶋正昭: Neurologia medico-chirurgica(Tokyo).

URL: 

公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi