研究課題/領域番号 |
63570707
|
研究機関 | 埼玉医科大学 |
研究代表者 |
飯塚 正 埼玉医科大学, 整形外科, 講師 (40151237)
|
研究分担者 |
武井 紀夫 埼玉医科大学, 整形外科, 助手
加藤 浩 埼玉医科大学, 整形外科, 助手
|
キーワード | 肋軟骨骨化 / 骨塩量 / 骨粗鬆症 / 脊柱靭帯骨化症 / 加齢変化 |
研究概要 |
1.骨、骨量および骨化傾向と肋軟骨々化程度との関係:脊髄X線写真による骨萎縮度(慈恵医大分類、MD法、singh指数)との関係では骨萎縮が高度の方が肋軟骨々化程度が小さかった。脊柱靭帯骨化など骨化径行の強いもの程、肋軟骨々化程度が大きかった。定量的コンピュ-タ-断層写真(QCT)による骨塩量が大きい程、肋軟骨々化程度が大きい傾向であった。 2.高度肋軟骨骨化例の臨床的意義の検討:高度肋軟骨骨化を外来で発見された10例の基礎疾患や既往歴を調査した。膝半月石灰化症3例、人工閉経術後3例、汎発生変化性関節症2例、乾癖性関節炎2例であった。半月石灰化症3例中2例は多発性石灰沈着症であった。因に人工閉経術をうけた9例の調査では30歳代で4例中2例(50%)、50歳代で5例中1例(20%)であった。一般外来患者では253例中30例(12%)で、男140例中7例(5%)、女113例中23例(21%)であった。脊柱靭帯骨化症30例中18例(60%)と高率で、男19例中13例(68%)、女11例中5例(45%)であった。骨粗鬆症では62例中7例(11%)で全例女性であった。この7例も慈恵大分類で初期2例、I度5例と比較的軽度の粗鬆症であった。以上から、肋軟骨々化は、個体の骨量や骨化傾向の指標となりうることが示唆された。高度骨化例では基礎疾患の検索が必要である。 3.割検例からの標本の検討:X線学的には20代から骨化が開始されることが多く、組織学的には硝子軟骨内での軟骨内骨化が主体であり、肋骨膜から連続した膜性骨化も併存することがわかった。走査電顕や分析電顕の所見からも基質にハイドロキシアパタイトの沈着がおこり、さらに骨化への過程が認められた。
|