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1988 年度 実績報告書

脊髄神経根血流に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570712
研究機関藤田学園保健衛生大学

研究代表者

吉沢 英造  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 教授 (60084555)

研究分担者 宮地 雅也  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 研究員
黒瀬 純一  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 研究員
西沢 活史  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手
中井 定明  藤田学園保健衛生大学, 医学部, 助手
キーワード神経根 / 解部学的構造 / 血流 / 髄液流 / 圧迫障害
研究概要

腰仙部神経根障害の病態を解明すべく、雑種成犬の神経根につき、根の血管形態と血流動態、髄液流との関係、圧迫による血流量変化を微細血管造影法、走査型及び透過型電子顕微鏡、連続写真撮影装置、組織血流計(電解式水素クリアランス法)等を用いて検討し以下の成果を得た。1.根栄養血管である根動静脈はクモ膜下腔にあって根被膜とは極めてゆるく結合するのみで髄液中に浮遊していることから、根内への血行維持には正常な髄液状態の必要性が示唆された。また根内血管は根の全長にわたりT字型分岐を繰り返す血管網からなり、神経根血流に分水界があるとする考えは否定された。2.髄液は薄い神経根鞘を容易に透過して膠原線維の希薄な神経内膜にまで浸透し根内血流に参加しているという極めて重要な事実がクモ膜下腔への墨汁注入実験により証明された。3.硬膜外神経根圧迫実験では圧迫開始後に近位側根内血流量と遠位側根内血流量が共に低下するが、その低下の程度は近位側で大きく、また強い圧迫ほど低下がより顕著であった。圧迫解除後は近位側血流量が直ちに回復するのに対し、強い圧迫後の遠位側血流量は圧迫解除後1時間たっても有意の回復を示さなかった。神経根圧迫により中枢側血流がより低下することは硬膜外根血管の血流方向から理解しうるものの、強い圧迫の解除後にみられる遠位側血流量の回復不良は説明できず、髄液が根内血行に参加している事実からみて、圧迫解除後も遷延する髄液停滞が原因と考えられた。
以上の研究結果から神経根障害の病態解明には機械的圧迫とその結果生ずる血行障害のほかに髄液流の障害をも考慮せねばならないという新知見を得た。神経根と同様に髄液に浸っている脊髄の障害についても今後更に研究を発展させる予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] 小林茂: 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 32. 133-135 (1989)

  • [文献書誌] 小林茂: 中部日本整形外科災害外科学会雑誌. 32. 135-138 (1989)

  • [文献書誌] Hidezo Yoshizawa.: Spine.14. (1989)

  • [文献書誌] 小林茂: 藤田学園医学会誌. 13. (1989)

  • [文献書誌] 小林茂: 藤田学園医学会誌. 13. (1989)

  • [文献書誌] 小林茂: 日本パラプレジア医学会誌. 2. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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