研究課題/領域番号 |
63570713
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
阿部 宗昭 大阪医科大学, 医学部, 助教授 (70084994)
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研究分担者 |
土居 宗算 大阪医科大学, 医学部, 助手 (70197995)
木下 光雄 大阪医科大学, 医学部, 講師 (90169912)
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キーワード | 落射型顕微蛍光測光法 / 軸索再生 / RNA / 脊髄後根神経節 |
研究概要 |
今年度は最終年度であり、前年度までの結果をまとめ、また、形態学的な裏付けを得ることを中心に研究を行った。 これまでの実験では神経細胞内Ribonucleic Acid(以下RNAと略す)量および神経細胞断面積は軸索切断後1週にて最高値を示した。今年度は、この時期における神経細胞体の状態を形態学的に観察するため、これまでの実験と同条件のモルモットを用い無処置及び坐骨神経切断1週後にグルタ-ルアルデヒドにて潅流固定を行った。そののち、第1仙髄後根神経節を摘出し、オスミュウム酸固定後にエポン包埋を行い光学顕微鏡及び透過型電子顕微鏡にて観察した。 【結果】 無処置モルモットの後根神経節細胞をトルイジン青染色して光学顕微鏡で観察すると、核はほぼ中央に位置しており、細胞質内には多数のNissl顆粒が認められた。また、その電顕像では、細胞質内に粗面小胞体の平行の並んだ集団であるエスガストプラズムが多く観られた。それに対し、坐骨神経切断1週後における後根脊髄神経節の光顕像では、神経細胞断面積の増加及び核の遍在する細胞が存在してしてした。また、その電顕像は小胞体の配列が失われ、ポリゾ-ムと遊離ポリゾ-ムが増加して胞体全体にわたり分布しているのが観察された。この変化は、神経細胞自体に必要な蛋白合成の増加を意味し、形態学的にもRNA量の増加が推測された。
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