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1988 年度 実績報告書

ラット遊離肺還流モデルにおける白血球、PAF、TNFの肺血管床透過性亢進への関与

研究課題

研究課題/領域番号 63570719
研究機関群馬大学

研究代表者

今井 孝祐  群馬大学, 医学部附属病院救急部, 助教授 (60091964)

キーワード遊離肺還流標本 / 肺循環 / 肺血管床透過性 / 血小板活性化因子 / 肺高血圧 / 過換気 / 呼気終末陽圧 / TNF
研究概要

1. 〔ラット遊離肺灌流標本の安定したモデルの作製に成功した。〕本モデルは変動しやすい物であるが、手術手技、還流回路、還流液の改善により安定した還流圧、湿乾重量比がえられるようになり、また同モデルにおいて肺動脈を遊離、左右肺の選択的還流、薬物投与を片肺にのみ行い対側を内部コントロールとして使用できる手技を完成した。
2. 〔血小板活性化因子(PAF)は肺血管床の透過性を亢進させる。〕PAFを片側肺にのみ0.05μgづつ、bolusに5回投与することにより、還流圧の上昇を認めずに対側肺に比較して肺水分量の増加を認めた。PAFのbolus大量投与は還流圧の上昇をきたすが、還流圧の上昇をきたさない少量頻回投与によって肺水分量の増加をきたし、PAFは肺血管床に対して透過性亢進作用を持つことが明らかにできた。
3. 〔過換気は肺血管床の透過性を亢進させ、呼気終末陽圧はこれに対して抑制的に働く。〕正常換気として一回換気量0.01ml/グラム体重、過換気として0.03ml/グラム体重にて30回/分の換気数にて、2.5cmH_2OのPEEP下、或いはZEEPにて30分間換気、肺動脈圧、湿/乾重量比の変化を比較検討した。最高気道内圧は過換気群ではPEEP群とZEEP群の間で差がなく、肺動脈圧は群間で同じである。従ってPEEPは過換気による肺水分量の増加を抑制し、低い呼気レベルから大きい換気量で換気することが肺灌流圧の上昇を伴なわずに肺水分量の増加をきたし、肺血管床の透過性亢進に起因するであろうことが明らかにできた。
4. 〔TNFの作用〕TNF2万単位/mlの濃度で本モデルを還流したのでは、還流圧、水分量に著変がなく、TNFは白血球の作用を介して肺血管床に働く可能性の予備的データをえて現在研究を進行中である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 今紀子: 麻酔. 37. S462 (1988)

  • [文献書誌] 今井孝祐: 麻酔とリアニマシオンセミナー. (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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