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1990 年度 実績報告書

吸入麻酔薬の代謝産物フッ素の排泄に関する基礎的研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570725
研究機関広島大学

研究代表者

向田 圭子  広島大学, 医学部・附属病院・手術部, 助手 (20182066)

研究分担者 藤井 宏融  広島大学, 医学部・麻酔・蘇生学教室, 講師 (60034021)
盛生 倫夫  広島大学, 医学部・麻酔・蘇生学教室, 教授 (80033950)
キーワードセボフルレン / エンフルレン / 無機フッ素 / 代謝産物
研究概要

吸入麻酔薬としてフッ素化合物が広く臨床に使用されている。代謝産物として、無機フッ素が産生される。フッ素の血中濃度が50μM/Lを越えると腎臓障害が発生するといわれている。そのため、フッ素の産生排泄を知ることは新しい吸入麻酔薬を臨床応用するに当たって重要な課題である。セボフルレンは新しく開発されたフッ素を7つ有するフッ素化メチルエチルエ-テルである。本研究ではセボフルレン吸入麻酔時に産生される無機フッ素について、その産生排泄を知る目的で昨年まで行った実験より以下のことが明らかになった。1)200μM/kgフッ化ナトリウムをウサギに静脈内投与後、血清、尿中の無機フッ素の半減期は614分、795分、分布容量は45L、30時間でほぼ投与量の22%が尿中に排泄される。2)1%、2%、3%のセボフルレン2時間吸入による、血中無機フッ素濃度は22.8±8.7,31.9±11.0,41.6±13.2μM/Lであった。尿中無機フッ素総排泄量は26.1±6.7,41.4±11.3,64.3±18.0μMであった。尿量、尿の水素イオン濃度、尿浸透圧には変化は認められなかった。血中の無機フッ素濃度はまた尿中の無機フッ素総排泄量と吸入セルボフルレン濃度との間に相関がみられた。そこで本年度は3)セボフルレン長時間吸入(8時間)による無機フッ素の産生および排泄をエンフルレンと比較検討した。
3)セボフルレンの長時間吸入による無機フッ素血中濃度は47μM/Lと、エンフルレンの39μM/Lに比べ高値であったが、有意差は認められなかった。吸入中止により速やかに減少し、吸入中止後24時間では1μM/L以下となった。また尿中無機フッ素総排泄量はセボフルレンで124±35μM、エンフルレンで70±17μMで有意にセボフルレンのほうが多かった。しかし、尿量(吸入中8時間、吸入中止後24時間)は有意にエンフルレンの方が少なかった。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Delawar HOSSAIN: "Doseーrelated Seuoflurane Metabolism to Inorganic Fluoride in Rabbits." Hiroshima J.Med.Sci. 40. 1-7 (1991)

  • [文献書誌] Delawar Hossain: "Serum and Urinary Fluoride Ion After Prolong exposure to Sevoflurane and Enflurane" Hiroshima Journal of Anesthesia. 27. (1991)

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公開日: 1993-08-11   更新日: 2016-04-21  

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