研究課題/領域番号 |
63570734
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研究機関 | 産業医科大学 |
研究代表者 |
緒方 政則 産業医科大学, 医学部・麻酔科学, 助手 (70169176)
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研究分担者 |
重松 昭生 産業医科大学, 医学部・麻酔科学, 教授 (30037428)
高良 裕 産業医科大学, 医学部・麻酔科学, 講師 (30148952)
和田 明彦 産業医科大学, 医学部・薬理学, 助教授 (30131949)
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キーワード | 副腎髄質 / イオン・チャンネル / Na^+ / Ca^<2+> / K^+ / 全身麻酔薬 / アパミン |
研究概要 |
私達は、ウシ副腎髄質細胞において、(1)カルバコールによる細胞内へのNa流入(ニコチン様受容体ーイオン・チャンネルを介する)、並びに、(2)ベラトリジンによる細胞内へのNa流入(電位依存性Naチャンネルを介する)のいづれもが、電位依存性Kチャンネルを活性化すること、(3)高濃度カリウムによる細胞内へのCa流入(電位依存性Caチャンネルを介する)が、Ca依存性Kチャンネルを活性化させることを報告した(雑誌論文1)。本年度は、Kチャンネル活性(^<86>Rb流出により測定)に対する麻酔薬の作用に関して検討した。 1.^3Hーフェンサイクリジン結合と薬物作用機序:(1)dissociative auesiheticsであるフェンサイクリジンは、ニコチン様受容体ーイオン・チャンネル複合体近傍(解離定数4.3μM)、並びに、電位依存性Naチャンネル近傍(解離定数77.4μM)に結合し、カルバコール(IC_<50>7.0μM)、ベラトリジン(IC_<50>60.0μM)による^<22>Na流入を阻害した。(2)フェンサイクリジンは、電位依存性Caチャンネル、Ca依存性チャンネルは阻害しなかった。(3)カルバコール、ベラトリジンによる^<86>Rb流出が抑制されたが、その濃度抑制曲線は^<22>Na流入阻害のそれと同じであった。従って、フェンサイクリジンは、電位依存性Kチャンネルを直接阻害する作用を併せ持つのか、^<22>Na流入の阻害の二次的な結果として^<86>Rb流出低下をまねくのか、電気生理学的手法による解析が必要である(雑誌論文2、4)。 2.ケタミンは、カルバコールによる^<22>Na流入を阻害(雑誌論文3、4)する濃度範囲で、カルバコールによる^<86>Rb流出を低下させた。 3.アパミン(1.2μM)は、カルバコール、高濃度カリウムによる^<86>Rb流出を90.9、82.4%まで低下させたが(ベラトリジンによる^<86>Rb流出は阻害せず)、副腎髄質細胞のKチャンネルは、基本的にはアパミン非感受性と推察された(未発表)。
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