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1988 年度 実績報告書

急性脊髄損傷患者の非観血的脊髄電気刺激電極留置法による無カテーテル排尿法

研究課題

研究課題/領域番号 63570744
研究機関信州大学

研究代表者

福井 準之助  信州大学, 医学部・泌尿器科, 助教授 (50115367)

研究分担者 吉村 明  信州大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (10201047)
山下 俊郎  信州大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (10200685)
中本 富夫  信州大学, 医学部・泌尿器科, 助手 (10135139)
小川 秋実  信州大学, 医学部・泌尿器科, 教授 (10009954)
キーワード仙骨神経刺激 / 電気刺激法 / 針電極 / 排尿
研究概要

対症例として本年は胸髄損傷(Th5-6)1例のみしか施行出来なかった。昨年度の経験に基づき、学生解剖実習時に第3と第4仙骨孔への刺入針の深度を調べた結果、4.5cm前後が適切と考えられた。したがって生体では4.5〜6cmの深度が仙骨神経への到達に適していると思われた。刺入手技は中新井の報告に準じて行った。用いた針は23Gのカテラン針に改良を加えたものであり、留置用電極とコードは半田の開発したコイル状のステンレス特殊釣り針電極である。手技はX線透視下に整形外科医の指導下に造影剤を用いて、第2と第3仙骨孔、第4仙骨孔に一対の電極の留置を試みた。第2と第3仙骨孔へは深度4.5〜6cmの深さで、左右の電極の同時刺激に対する膀胱内圧の変化をみながら刺激部位の選択を行った。この症例では第4仙骨孔への針の刺入が難かしく、長時間に亘る努力にかかわらず膀胱内圧の上昇が得られなかった。また、左側の第3仙骨孔への針の刺入時に出血を生じたため、より以上の操作を中止した。すなわち、第2、第3仙骨神経近傍にのみ刺激電極の留置が出来た。電圧5V、周波数30Hz、0.1m秒のパルス幅で単相矩形波の間歇電気刺激を行ったが、膀胱内圧の上昇は軽度(10cmH_2O)しか得られず排尿まで到らなかった。第2と第3仙骨神経の同時刺激よりも第3仙骨神経の単独刺激の方がより鋭い膀胱圧の上昇があり、第2仙骨神経の刺激では電極の微妙な移動に伴い会陰、勃起、下腿や大腿の筋収縮、臀筋の収縮があたっ。以上の結果から、経皮的に骨盤神経にのみ電極を留置する技術は非常に困難であり、電極のわずかな移動で膀胱収縮が得られないことがわかった。このため、今後はこれらの電極や刺激装置を用いて、排尿筋や外尿道括約筋に電極を留置し、排尿を生じさせる方法がより簡単で安全で確実な手技と考えられ、今後はこの方針で検討を加える予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 福井準之助: 病態生理. 6. 953-957 (1987)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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