研究課題/領域番号 |
63570749
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
竹内 正文 愛媛大学, 医学部, 教授 (70028471)
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研究分担者 |
織田 英昭 愛媛大学, 医学部, 助手 (20194558)
横山 雅好 愛媛大学, 医学部附属病院, 講師 (50116993)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1990
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キーワード | bromodeoxyuridine / 前立腺癌 / 膀胱癌 / 腎癌 / ホルモン療法 / 化学療法 |
研究概要 |
前立腺癌に対するホルモン療法や膀胱癌や腎癌における化学療法などに対する治療効果を予測することができれば臨床的意義は計り知れないこの目的のため我々は、細胞でのDNA合成の指標であるbromodeoxyuridine(BrdU)の摂取率を治療の前後で測定し治療効果の予測に有用かを検討した。前立腺癌患者13例、膀胱癌患者10名および腎癌2名について、ホルモン療法あるいは化学療法の前後でのBrdUの摂取率を測定したBrdUの標識には、今回我々が独自に開発したin vitroでの標識用の器具を利用した。この方法は注射器とプラスチック製のcontainerからなり、簡便でかつ大きな装置がいらないため一般診療所でも簡単にBrdU標識が可能である。また、組織採取の後速やかにBrdU標識を行うことが可能となった。その結果、前立腺癌では組織学的悪性度とBrdU摂取率の間には殆ど相関は認められなかったが、多くの患者でBrdU摂取率は治療の前後に著明に低下した。さらに、ホルモン療法の後では、多くの症例でBrdU摂取を認める細胞は殆ど消失したが、4症例では治療後も小数ながら標識細胞を観察した。これらの症例のうち、3例ではホルモン療法によっても病勢の進行をみるか、早期に病巣の再燃を経験した。この事から我々の予想どうり、ホルモン療法の前後でのBrdU摂取率の測定は前立腺癌における治療の結果を予測するのに有用と思われた。しかしながら膀胱癌と腎癌では症例数が少ないためにBrdU摂取率と治療効果の間に有意な関係は認められなかった。
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