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1988 年度 実績報告書

胎盤性結晶板凝集抑制物質・胎盤性凝固抑制物質の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570766
研究機関秋田大学

研究代表者

設楽 芳宏  秋田大学, 医学部, 助手 (40187357)

研究分担者 一関 和子  秋田大学, 医学部, 助手 (60006757)
キーワード胎盤性凝固抑制物質 / Calphobindin / リン脂質 / 凝固時間 / PT / aPTT / リポコルチン
研究概要

胎盤性凝固抑制物質(Calphobindin,CPB)は我々が世界で初めて報告した血液凝固の抑制能を有する物質である。今回我々はさらなる検討を加え、次の成績を得た。1.血液凝固に対する影響:CPBは凝固反応においてCa^<++>イオン、リン脂質の関与した系を抑制することが判明している。そこで次の検討を行った。(1)Ca^<++>結合能の検討:^<45>Caを用いたHummelDreyerのゲル3過法の結果、CPBは^<45>Ca^<++>と結合して溶出され、CPBがCa結合性蛋白であることが判明した。(2)Protein C活性化抑制の検討:凝固抑制物質であるProtein CはCa^<++>、リン脂質、トロンボモジュリンの存在により、その活性化が促進される。同様に抑制物質であるCPBはこのProtein C活性化反応に対しても抑制を示したが、その抑制活性は弱いものであった。(3)凝固反応に対する阻害様式:第X因子、プロトロビンの活性化反応にはCa^<++>、リン脂質を必要とする。これらの反応に対するCPBの抑制形式をLineweaver Barkのplotにより検討したところ、それぞれ非競合型阻害であることが判明した。(4)Lupus anticoagulant(LA)との異同:抗IgG、IgM抗体を用いたELISA法の検討の結果CPBとLAは異質の物質であることが判明した。(5)結晶板における検討:CPBは結晶板膜にも存在することが判明した。しかし、結晶板凝集能自体には影響を及ぼさなかった。2.癌組織での局在:子宮頚癌、体部癌、卵巣癌組織を抗CPB酵素抗体法を用いてCPBの局在を検討した。間質細胞、マクロファージ、中皮細胞に局在を認めた。炎症性反応によりinduceされる可能性が考えられる。3.臨床応用:ラット実験的DICモデルに対してCPBの治療有効性を認めた。4.CPB類縁物質の発見:我々はさらに分子量68K、32Kの新たなるCa^<++>リン脂質結合性蛋白を胎盤組織に発見した。現在、その分子構造、リポコルチンとの相似性について検討中である。

  • 研究成果

    (9件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (9件)

  • [文献書誌] Yoshihiro,SHIDARA: ACTA HAEMATOLOGICA JAPONICA. 51. 1670-1679 (1988)

  • [文献書誌] Yoshihiro,SHIDARA: Placental and Endometrial Proteins. 423-427 (1988)

  • [文献書誌] 設楽芳宏: 日本臨床. 47. (1989)

  • [文献書誌] 設楽芳宏: 産婦人科の実際. 38. (1989)

  • [文献書誌] 設楽芳宏: 血液と脈管. 19. 647-650 (1988)

  • [文献書誌] 中島勝明: 血液と脈管. 19. 202-204 (1988)

  • [文献書誌] 高橋道: 日本産科婦人科学会雑誌.

  • [文献書誌] 成田昌裕: 日本産科婦人科学会雑誌.

  • [文献書誌] 齋藤良治: 産婦人科新生児血液. 12. 13-18 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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