研究概要 |
本年度の研究実施計画は(1)胎盤の検体採取,(2)標本作製,観察,(3)学術論文作製であったが,おおむね目標は達成できた。まず検体採取に関しては妊娠各週の正常胎盤,流産検体を集めることができ,更に胞状奇胎の検体も入手できた。今年度の研究では特に胎盤表面に存在するEGF-R(epidermal growth factor-Receptor)の免疫組織学的検出を試み,EGFとの関係(胎盤に及ぼすEGFの生理的作用)で興味ある所見を得た。すなわち正絨毛細胞の表面及びCytotrophoblast表面には非常に多量のリセプターが表現されており,妊娠週数に関係なく存在することが確認された。免疫電顕でも膜表面に存在するEGF-Rが非常にキレイな形で確認することができ,次年度は異常絨毛細胞の存在形態,EGFの由来(つまり母体血又は胎児血のいずれに由来するか?)を確証したいと考えている。
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