研究課題/領域番号 |
63570780
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
片山 和明 神戸大学, 医学部, 助手 (70112084)
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研究分担者 |
望月 眞人 神戸大学, 医学部, 教授 (80030922)
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キーワード | progesterone / antiーprogesterone / LH@hCG receptor / cross linker / Western blot法 |
研究概要 |
妊娠ラットを用いたin vitro実験系におけて大量のprogesteroneあるいはantiーprogeseroneであるRU486の存在下での黄体細胞のLH/hCG receptorの変化を調べた。大量のprogesteroneを妊娠ラットに投与すると、卵巣黄体細胞におけるLH/hCG receptorは数の面では増加を示すがhCGに対する親和性が低下した。また、RU486を投与するとLH/hCG receptorは数および親和性いずれも低下することがわかった。そこで黄体細胞において先にLH/hCG結合蛋白を調べたのと同様にcross linkerを用いた実験を行なったがreceptorの構造上から特に大きな変化を認めなかった。これらの事実より、卵巣steroid hormoneはLH/hCH receptorに対して機能的には影響を及ぼすものの、構造的には大きな作用を持たないものと考えられた。 また、臨床的には、体重減少性無月経患者に甲状腺ホルモン剤の投与が性機能改善に対して有効であることが示された。このことは甲状腺ホルモンが下垂体からのgonadotropinの分泌に関与するばかりでなく、卵巣におけるgonadotropin receptorに対しても何らかの作用を及ぼしている可能性が示唆され、今後検討していく必要があると考えられた。さらに、西村らは絨毛癌患者における尿中、血中のhCGの構造的相違につきゲルクロマトグラフィ法、等電点電気泳動法、Western blot法を用いて検討した。絨毛癌患者では尿中のhCGは血中に比べ、シアル酸含量が少なくなるばかりでなく、βsubunit類似の分子量23000および15000の蛋白が含まれることがわかった。このことは絨毛性疾患の患者のなかでmalignant formationしたものを鑑別することに対して非常に意義のあるものであると考えられる。
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