扁平上皮癌の細胞学的解析における関連抗原TAー4の意義

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63570782
• 研究機関: 山口大学
• 研究代表者: 高杉 信義 山口大学, 医学部・附属病院, 講師 (80163202)
• 研究分担者: 加藤 紘 山口大学, 医学部, 教授 (10034969)
• キーワード: 腫瘍マ-カ- / SCC抗原 / ヌ-ドマウス / オ-トラジオグラフィ- / 扁平上皮癌 / 子宮頸癌

研究概要

1.前年度までに得られた、SKGーIIIa細胞由来の2細胞株Aー5細胞とBーA5細胞の性格につき、ヌ-ドマウス移植実験を追加し、移植細胞数ならびに動物数を増して検討した。
2.Aー5細胞とBーA5細胞の生物学的性質につきmatrigelを用いたinvasion assayで浸潤能を検討した。その結果、Bー5細胞の浸潤能は53±5.7細胞/視野とAー5細胞の浸潤能(19±1.2細胞/視野)に比べて有意に高値を示した。
3.Aー5細胞とBー細胞におけるTAー4発現の違いにつき、特に酸性分画に特異的なモノクロ-ナル抗体317を用いたア-トラジオグラフィ-で検討したが、Bー5細胞はAー5細胞より明らかに強い反応を示し、Bー5細胞における酸性分画の発現が亢進していることが示された。

研究成果

• [文献書誌] N.Takeshima: "An automated enzyme immunoassay system (IMx) for SCC antigen" Jounal of Tumor Marker Oncology. 5. 35-38 (1990)
• [文献書誌] 末廣 泰子: "Flow cytometryによる卵巣癌の予後判定" 産科と婦人科. 57. 836-867 (1990)
• [文献書誌] 中村 薫: "扁平上皮癌細胞のSCC抗原産生放出能に対するTNFの影響" 第9回腫瘍マ-カ-研究会記録. 5. 32-34 (1990)
• [文献書誌] 加藤 紘: "婦人科領域の扁平上皮癌" 病理と臨床. 8. 315-320 (1990)
• [文献書誌] S.Tsuyama: "Different behaviors in the productuin and release of SCC antigen in squamousーcell carcinoma" Tumor Biology. 12. 28-34 (1990)
• [文献書誌] H.Kato: "Immunodiagnosis of Cancer" Marcel Dekker,Inc., 712 (1990)
• [文献書誌] 加藤 紘:"広範囲血液・尿化学検査、免疫学的検査下" 日本臨床社, 1281 (1990)