研究課題/領域番号 |
63570783
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研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
原 量宏 香川医科大学, 医学部, 助教授 (20010415)
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研究分担者 |
田中 宏和 香川医科大学, 医学部, 助手 (80207125)
林 敬二 香川医科大学, 医学部, 助手 (30201718)
柳原 敏宏 香川医科大学, 医学部, 助手 (90166546)
福岡 秀興 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80111540)
神保 利春 香川医科大学, 医学部, 教授 (50010179)
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キーワード | fetal behavior / 眼球運動 / 羊水量 / 先天異常 |
研究概要 |
従来の胎動検出システムにくわえ、63年度予算では新たにハ-ドディスクその他を備え、平成元年度予算では4Mbyteのラムディスクを加え、かなり能率よく大量のデ-タを分析可能となった。これまでに、各種胎動パタ-ンの出現頻度、胎動の種類と母体の胎動自覚、音響刺激に対する反応、各種胎動と呼吸運動相互の関係、胎動の種類と胎児心拍数変動との関係、妊娠週数と胎児心拍数パタ-ンの推移、眼球運動の確実な検出法などについて検討した。その結果、(1)胎児は音響刺激に比較的敏感に反応すること、(2)強い音響刺激には反応する頻度が高いこと、(3)胎児の睡眠リズムと音響刺激の反応の程度には関係があること、(4)胎児呼吸運動に規則的なパタ-ンと不規則なパタ-ンなどがあり、とくにREM期には不規則なパタ-ンが出現しやすいこと、(5)呼吸運動の1分あたりの回数は、妊娠34週前後が最も多く、肺の機能的成熟との関係が示唆された。(6)眼球運動に関しては、REM期とnon REM期および覚醒期のパタ-ンにつき分析し、胎児心拍数との関係が分析可能であった。 我々の開発した胎動検出システムを用いることにより、胎児の四肢、躯幹、呼吸、眼球、嚥下、腸管、排尿などに関する運動はかなり細部まで検出可能であった。その結果、胎児の睡眠、覚醒のリズムに関して、妊娠中期以降の胎児は新生児とかなり似たリズムを示し、胎児が抑制された状況では覚醒パタ-ンが減少することが確認された。今後の問題点としては、音響刺激に関しては、子宮内の実際の音圧や、胎児の鼓膜への音圧に関しても定量的に検討し、また音響周波数を変化させた場合の胎児の反応の変化についても検討してみたい。更に、各種疾患における薬剤投与時の、外界からの刺激に対する反応の差、心拍数変動の状態などにつき重点的に検討したい。これらのデ-タを蓄積し、過去の症例を分析することにより、新しい臨床診断の判定基準を確立できる。
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