研究概要 |
(1)PGDH精製:当初ヒト胎盤homogenateの遠心上清の等電点沈澱(pH5.2)、DEAE-cellulose,NAD affinity,PGF_<2a> affinityの各クロマトグラフィにて精製、SDSポリアクリルアミド電気泳動法で精製していたが、実験経過の途中でNADヘキサンアガロースの入手が不可能となったため、これに代えてブルーセファロースを代用し、その有用性を検討した。相当のaffinityが認められ、使用可能と思われた。そのため、DEAE-celluloseのあとに硫安分析、セファクリルS200のゲル濾過を挿入し、その後ブルーセファロースaffinity chromato-graphyを行なうことにした。 (2)PGDH抑制因子精製・構造分析:上記等電点上清あるいは母乳遠心後の乳清よりアセトン沈澱(66%)、石油エーテルで抽出、ジエチルエーテルで濃縮し、薄層クロマトグラフィーで溶媒クロロホルム:アセトン(96:4)、次に石油エーテル:ジエチルエーテル(80:20)で展開、精製した。1本のバンドを得ることができた。しかし63年度はガスクロマトグラフィー(GC/MS)による構造分析を行うことは出来なかった。 (3)基質(PGE_2)と補酵素(NAD)に抽出・精製した抑制因子濃度を変え、incubation実験を行い、阻害形式の検討し、競合型阻害と非競合型阻害の混合型を示し、阻害部位はPGE_2とPGDHの結合部位と考えられた。 (4)PGDH抗体作成:精製PGDHを抗原とし、家兎を用いてPGDHポリクローナル抗体作成を試みているが、現在までいまだ十分な抗体産生を確認していないので、更に追加免疫を行ない、その成果を期待しながら観察中である。
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