研究課題/領域番号 |
63570797
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
蔵本 博行 北里大学, 医学部, 助教授 (80050491)
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研究分担者 |
秦 宏樹 北里大学, 医学部, 講師 (30146451)
下田 隆夫 北里大学, 医学部, 講師 (60162731)
加藤 良樹 北里大学, 医学部, 講師 (70146439)
森澤 孝行 北里大学, 医学部, 講師 (40133300)
上坊 敏子 北里大学, 医学部, 講師 (80110873)
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キーワード | 子宮内膜 / 子宮内膜癌のホルモン感受性 / 応答能 / ステロイドホルモン受容体 / 抗ホルモン受容体モノクロナール抗体 |
研究概要 |
1.条件設定モデル化ー正常子宮内膜純化培養は、手術標本を採取した無菌材料を中心に20例近く初代培養に供した。間質細胞の混入も完全には除去できないが、初代ホルモン投与実験はほぼ可能である。しかし免疫組織学的には、数代継代した後でないと受容体の検出は困難で、この点は今後の課題が残っている。 2.受容体の検索ーIn Vitro樹立細胞株において卵巣ホルモンであるエストラジオール(E_2)、プロゲステロン(P)に対する受容体が、検出されたのは分化型腺癌由来イシカワ株のみであった。当科にて手術治療を行った子宮体癌 例全てに継代培養を試みた。内訳は分化型腺癌 例、中等度分化型 例、低分化型 例でそのうちERPR共に陽性 例、ERのみ陽性 例、どちらも陰性 例であり、生化学的ならびに免疫組織的検出法は良い相関を示したが、樹立には至らなかった。イシカワ株における受容体検出でも、両方法の間には良い相関が認められ、またE_2投与時におけるP受容体の増加も両測定法において確かめられた。イシカワ株におけるPR量は、ホルモン非添加時 fmol/mg protであるがE_210nM72時間投与後にはfmol/mg protと増加し、抗PRモノクロナール抗体を用いたPAP法による染色では、PRは核内に染色され、E_2投与後では、染色強度および、陽性細胞数はいずれも増加した。 3.パラメーターの検索ー今年度ホルモン作用のパラメーターとして、用いたものは、抗BrdUモノクロナール抗体を用いたS期細胞の同定ならびにNDA量、および17βーsteroiddehydrogenase活性である。イシカワ株を用いたものでは、E_2添加時にS期細胞ならびにDNA量の増加を呈し、E_2依存性増殖が確認された。17ーβーDH活性は本来P作用の指標であり、イシカワ株では、正常内膜に比し、極めて低い活性(約1/100)の活性値を有するものであった。
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