研究分担者 |
秦 宏樹 北里大学, 医学部, 講師 (30146451)
下田 隆夫 北里大学, 医学部, 講師 (60162731)
加藤 良樹 北里大学, 医学部, 講師 (70146439)
森澤 孝行 北里大学, 医学部, 講師 (40133300)
上坊 敏子 北里大学, 医学部, 講師 (80110873)
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研究概要 |
1.受容体の検索-InVivo症例の検討は、月経周期の正常である患者70例より採取した子宮内膜組織診・細胞診を免疫組織・細胞学的に抗ER・抗PRモノクロナ-ル抗体を用いて染色を行ない、増殖期後半から分泌期前半にピ-クをなす従来の生化学的測定による結果とパラレルな結果を得た。ER・PRの局在は核内にのみ存在し癌組織・癌細胞にみとめられる不均一性染色はなく全域均一に染色された。In Vitro樹立株においては、昨年の報告で述べた如くER・PRが検出されたのは、分化型腺癌由来Ishikawa株のみであった。このER・PR量が、ホルモンであるE_2,Pによって増減することは報告したが、免疫染色によるER・PRの陽性率・陽性細胞染色強度も生化学的測定値と同様に変化した。 2.パラメ-タ-の検索-本年度中に重点的に行ったパラメ-タ-の検索は、P作用の指標であるグリコ-ゲン代謝に関してである。正常子宮内膜すなわち機能的PRを有するところでは、Pによってグリコ-ゲン(G)合成酵素活性の亢進とG含量の増加をきたす。ER・PRが機能的なものであるかどうがIshikawa株を用いて検討した。Ishikawa株のG含量は、4種類のP(P_4,MPA,R5020,Org2058)によって投与72時間にピ-クをもつ増加をきたし、この作用はPR上の競合物質である抗P剤RU486によって完全に拮抗された。RU486はGlucocorticoid受容体にも高い親和性を持ち、Pの作用がGRを介するものであるという報告もあるため、数種のGl(Dex,Cortisol etc)にて同様の検討を行ったが、G代謝には全く影響をおよぼさなかった。このことよりIshikawa株のPRは機能的PRであることが証明された。同様にG合成酵素活性はP投与48時間をピ-クで亢進された。しかし対照的にG分解酵素活性はP投与72時間をピ-クで活性が抑制された。
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