研究分担者 |
泰 和子 北里大学, 医学部, 助手 (10146441)
泰 宏樹 北里大学, 医学部, 講師 (30146451)
下田 隆夫 北里大学, 医学部, 講師 (60162731)
加藤 良樹 北里大学, 医学部, 講師 (70146439)
上坊 敏子 北里大学, 医学部, 講師 (80110873)
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研究概要 |
1.ホルモン受容体の検索ー従来の放射性同位元素を用いた測定法と、抗受容体抗体を用いた免疫組織学的測定法を併用して、両測定法の相関性を見出した。また臨床検体では、正常子宮内膜70例に関してER・PRの周期性変化を認め増殖後期から分泌前期にそのピ-クを見出した。さらに免疫染色でER・PRは核内に均一性な局在を観察しGorsski,Greeneらの提唱するホルモン受容体一段階説を裏付けるものであった。子宮体癌31例の検索では分化型腺癌73%,中等度分化型23%,低分化型0%に、ER・PRが陽性に検出され、分化の高い程陽性率が高く、ホルモン依存性度が存続してことが示唆された。免疫染色では癌組織内に強い不均一性を認めた。8種類の子宮体癌由来樹立細胞株では、ER・PR陽性でE_2,Pに対して感受性を有するのはIshikawa 細胞だけであった。Ishikawa細胞のPRはE_2投与後(至適10nM)72時間で約3倍に増加し、免疫染色でも陽性細胞数・染色強度共に増加した。 2.ホルモン作用の指標の検索ーE_2によるホルモン作用の指標としてER・PR陽性子宮体癌細胞(Ishikawa)では、S期細胞数を抗BrdU抗体を用いた免疫染色でまたDNA量を測定したが、いずれもE_210nM投与後有意に増加したプロゲスチン作用の指標としては、17βー脱水酵素活性,グリコ-ゲン合成酵素活性とグリ-ンコ-ゲン含量についてIshikawa細胞で検討した。各種プロゲスチン投与后(lμM)これらは48〜72時間后有意に上昇し、抗プロゲスチン剤であるRU486によって完全に拮抗された。P作用がGlucocorticoid 受容体を介して作用する場合もあるが、Cortisol,Dexamethasone等これら酵素活性への影響は全く観察されなかったため、種々のプロゲスチンは、同細胞の機能的PRを介して作用していることが示唆された。 3.成長因子の関与一正常用膜で周期制変化するEGF受容体は、体癌細胞でも発現していて、低分化癌ほど過剰に発現することが明らかになった。
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