研究概要 |
1)ラット卵巣のステロイド合成酵素に対する各種合成ステロイドの作用を検討(in vitro)したところ、3β-HSDはgestsinone,3-keto-desogestvel(3-keto-DG)で、17,20lyaseはDanazol,Desogestrel(DG)で強く阻害された。17α-hydroxylaseはdanazol,DGでわずかに阻害が認められるのみだった。DGはPRに結合せず、3keto-DGに代謝されて初めて活性型になると考えられていたが、この実験からDG自身が卵巣で直接ステロイド合成を阻害している可能性が考えられた。 2)妊娠13日目のラットの黄体にはEGFレセプタ-が存在し、最大結合部位数は2.38fmol/mg組織重量、kdは0.547nMであった。この黄体細胞をEGF存在下で2日間培養したところ、P4,20α-OH-P4,CAMPの基礎値は変わらなかったものの、stimulants(hCG,forskobin,dibatyryl CAMP)に対する反応が抑制された。 3)妊娠13日目のラット黄体細胞をInsulinとその類似ペプチドであるInsulin like growth factor 1(IGF-1),multiplication stimulating activity(MSA)存在下で4日間培養したところ、3-tsobutyl-1-methyl-xanthine(IBMX)併用時にP_4,20α-OH-P_4,CAMPが増加した。この作用はIBMX非存在時には出にくいことからInsulin等によってPhosphodiesterase活性が亢進する可能性が考えられた。
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