超音波胎児心拍・陣痛測定モニタによる在宅妊産婦モニタ-システムの研究

1990 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 63570800
• 研究機関: 帝京大学
• 研究代表者: 穂垣 正暢 帝京大学, 医学部・産婦人科, 教授 (60147105)
• 研究分担者: 山本 樹生 帝京大学, 医学部・産婦人科, 講助 (40167721)
• キーワード: 家庭用TVゲ-ム機 / 在宅モニタ- / 胎児モニタ- / 胎児心拍 / 連続波ドプラ信号 / FMテレメ-タリング / 子宮収縮 / 胎児テレメ-タリング

研究概要

在宅妊婦の胎児モニタ-リングに、小型軽量化した信号採取部とテレメタ-送信部を患者側フロントエンドとし、受信およびデ-タ処理用の端末に家庭用TVゲ-ム機を利用し安全で経済的なシステムを開発した。
患者側の端末は3MHz連続ドプラ-信号とし、子宮収縮用センサ-を組合せて、FM55ー710MHzでテレメ-タ送信し、77x57x21mmと小型軽量化し、ドプラ-出力2mW、電気出力を軽減し、リチウム電池1個で連続175時間の使用が可能である。患者がトランスデュ-サ-を装着し電源を入れれば、無拘束で安定した信号が連続的に得られた。デ-タ-受信及び処理部は、家庭用TVゲ-ムのカセット部にFM受信、複調、A/D変換、PROM化されたデ-タ-処理用ソフトがカセット化された一枚の基板に格納され、基板をゲ-ム機に挿入することで、TVゲ-ム機が胎児モニタ-リング装置となり、TV画面に胎児心拍曲線と子宮収縮曲線が表示される。装置の開発に際して、心拍計測の基本ソフトの開発のほかに、患者側端末の高性能化と低電力消費の実現、胎動その他のノイズ対策、トランスデュ-サ-装着の習熟性の軽減などにシステム化のための改良試作をかさねた。今後さらに、既存の医用診断ソフトのゲ-ム機用マシン語への変換が必要であるが、簡易なソフトによって実験室段階で、その臨床応用性が確認された。さらに、ホストとなる病院に簡易なパソコンを備えてデ-タ転送する時間軸圧縮による双方向通信も検討し、メモリ-の増設などによって、在宅で採取した信号を病院に転送し、診断結果を在宅のままで入手可能となった。これらのことから、家庭用TVゲ-ム機を用いた在宅モニタ-によるシステムが開発され、その臨床応用によって在宅患者に対する高度医療の実用化と時間的経済的負担が軽減可能になるなど多大な成果が得られた。

研究成果

• [文献書誌] 竹内 康人,穂垣 正暢 他: "家庭用テレビゲ-ム機によるドプラ-信号入力在宅胎児モニタ-" 第56回 日本超音波医学会. 17. 655-656 (1990)
• [文献書誌] 竹内 康人、穂垣 正暢 他: "簡易型在宅用胎児モニタ-の開発ーテレメトリ-と家庭用テレビゲ-ム機を利用してー" 第29回 日本ME学会.
• [文献書誌] Takeuchi Y.,Hogaki M: "Minimized Power Drain Ultrasound cw Doppler Telemetry System in UHF NBFM Channel for Long Term Unconstrained Fetal Monitoring" llth International Symposium on Biotelemetry.
• [文献書誌] Takeuchi Y.,Hogaki M: "Low Cost Personal Monitoring Device Using Household TV Gaming Equopment" llth International Symposium on Biotelemetry.
• [文献書誌] Hogaki M.: "Fetal Monitaoring by Using TV Game Machine at Patient's Home" 日中華民国医学用超音波医学会. 7. 123 (1990)
• [文献書誌] Hogaki M.: "Low Cost Personal Monitoring Device Using Household TV Gaming Equipment as Mainframe and Display unit" World Congress on Medical Physics and Biomedical Engineering 16th Internetional Conference on Medical and Biological Engineering 9th International Connfernce on Medical Physics.