研究課題/領域番号 |
63570802
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
野田 起一郎 , 医学部・産科婦人科学, 教授 (60088531)
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研究分担者 |
池田 正典 , 医学部・産科婦人科学, 助教授 (50113147)
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キーワード | flow cytometry / cancer / DNA ploidy / chemotherapy / radiation |
研究概要 |
パラフィン包理ブロックを用い、flow cytometryにより婦人科悪性腫瘍細胞の相対的核DNA量を測定し、DNA ploidyと化学療法あるいは放射線療法に対するresponseとの相関について、retrospectiveに検討することを目的にした。本年度はまず放射線療法を行った子宮頸癌症例の予後とDNA ploidyとの関連について検討した。当科で手術、術後放射線療法を行った子宮癌症例のうち、5年予後の判明した症例について放射線照射野内に再発した25例、照射野外に再発した25例、それに再発の認められなかった31例の計81例についてパラフィン包理ブロックを用いて腫瘍細胞の相対的核DNA量を測定した。更に、放射線単独治療例14例の治療前及び治療中の生検材料を用いてDNAhistogramの経時的変化を観察し、予後との相関について検討を行った。その結果、放射線照射野内に再発した群においては25例中16例(64.0%)にaneuploidyの存在を認めた。一方、照射野外に再発した群においては25例中6例(24.0%)、再発を認めなかった群では31例中6例(19.4%)にaneuploidyの存在を認めたにすぎず、照射野内に再発群におけるaneuploidy症例の比率は有意に高かった。またIIIb期以上の放射線単独治療例の治療開始前の生検材料によるDNA ploidyと放射線治療効果をみると、5年生存を確認し、かつ再発を認めない放射線感受性群6例中2例(33.3%)にaneuploidyを認めたのに対し、放射線照射終了後1年以内に照射野内に再発した放射線抵抗群では8例中5例(62.5%)にaneuploidyを認め、放射線抵抗群では高頻度にaneuploidyを認めた。また病理組織型とploidyとの間には相関は認められなかった。
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