研究分担者 |
古田 浩 香川医科大学, 医学部, 助手 (90209180)
執行 昭男 香川医科大学, 医学部, 助手 (80216150)
北奥 繁夫 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (10186231)
宮口 衛 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (70166130)
森 望 香川医科大学, 医学部, 助教授 (90124883)
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研究概要 |
昭和32年から昭和58年までの上顎洞癌新餅症例845例について、昭和62年UICCから出されたTNM分類を適用し、その進展度別に各種因子を検討した。 収集された資料はすでに教室保有のパ-ソナルコンピュ-タに入力されており、その後の追跡調査の結果を更新した。生存率計算用プログラムはdBASEIIIPLUSの中に作成し、収集されたファイルから効率よく検索し、統計処理が可能になった。 845例の巾別集計ではT1:13例,T2:240例,T3:305例,T4:287例に分れ、また臨床病期別集計ではstageI:13例,stageII:204例,stageIII:391例,stageIV:237例に分れた。 臨床病期別5年累積生存率はstageI:69%,stageII:43%,stageIII:33%,stageIV:14%となり,stageが進む程成績が悪くなり、国際分類の妥当性を証明し得た。 上顎洞癌の初期治療体系の中に拡大Demker手術を組み込むようになった1972年以後の症例のうち、拡大Demker手術施行の108例について解析した。その進展度別に見た5年累積生存率はT2:36例(67%),T3:39例(47%),T4:33例(30%),総数108例(48%)であった。これを局所制御率で見るとT2:36例(62%),T3:39例(57%),T4:33例(30%),総数108例(51%)であった。 以上の成績から拡大Demker手術を組入れた上顎洞癌の治療成績はほぼ満足すべきものであり、累積生存率では進展度別に成績の開きが明らかで国際分類の価値を示していたが、局所制御率では、T2,T3間の開きが少なく、このことは国際分類の不当性というよりは拡大Demker手術の意義を示したものと見るべきである。
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