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1988 年度 実績報告書

聴覚心理的手法による日本語単音節の類縁関係の研究とその聴覚障害への応用

研究課題

研究課題/領域番号 63570822
研究機関近畿大学

研究代表者

細井 裕司  , 医学部・耳鼻咽喉科, 講師 (80094613)

研究分担者 今泉 敏  東京大学, 医学部, 助教授 (80122018)
太田 文彦  , 医学部・耳鼻咽喉科, 教授 (50088530)
キーワード語音聴力検査 / 聴覚心理的手法 / 日本語単音節 / 語音地図 / 日本語類縁関係 / 聴覚障害
研究概要

現在、耳鼻咽喉科領域で一般的に行われている語音聴力検査は、弁別された語音の割合のみを表示しており、その内容についての分析は行われていない場合が多い。しかし、同じ1個の単音節の誤りでも「デ」を「レ」に異聴するものと,「デ」を「カ」に異聴するものとでは、異聴の質に相異があるはずである。そこで本研究では、日本単音節の語音相互の遠近関係を普遍的に確立すること、そして、この遠近関係を用いて聴覚障害者の異聴内容を分析し、聴覚障害部位診断、並びに、語音弁別訓練、特に、補聴器装用者の語音弁別訓練に有用なシステムを作ることを目的に以下のことを行った。
1.聴覚心理的手法による語音の類縁関係の表現
(1)アナウンサーが発声した語音をテープレコーダに収録した。
(2)収録した音声資料を量子化した後、67語の順序を乱数化したものを数組作成し、カセットテープに収録した。
(3)聴力正常者に対し上記の音声資料を用いて聴取実験を行った。その際、提示音圧を減少させることにより、聴力正常者に異聴をおこさせた。
(4)67×67の異聴行列を作成し、多次元尺度構成法SMACOFで実験データを解析した。
(5)1〜数次元空間上に、類縁関係の高い語音相互は近く、低い語音相互は遠くに配置されるような語音類縁地図を作成した。
2.聴覚障害者の異聴の解析
語音聴力検査で得られた聴覚障害者の異聴を、地図上に矢印で書き込むことによって異聴内容の解析を行った。
以上の結果、語音相互の遠近関係を表わした語音地図を用いれば、聴覚障害者の異聴内容を分析することができ、語音地図を用いた異聴の解析が有用であることがわかった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 細井裕司: 日本耳鼻咽喉科学会会報. 91. 703-709 (1988)

  • [文献書誌] 細井裕司: Audiology Japan. 31. 621-622 (1988)

  • [文献書誌] 山田安紀子: 電子情報通信学会技術報告. SP88. 9-16 (1988)

  • [文献書誌] 今泉敏: 昭和63年電子情報通信学会講演論文集. A. 111-112 (1988)

  • [文献書誌] 太田文彦: JOHNS. 4. 395-400 (1988)

  • [文献書誌] 山田安紀子: Audiology Japan. 31. 613-614 (1988)

  • [文献書誌] 太田文彦: "耳鼻咽喉科・頭頸部外科Mook 聴神経腫瘍-聴神経腫瘍の診断上注意すべき症例-" 金原出版株式会社, 210-215 (1988)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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