1.眼房水動態の研究 フルオロフォトメトリ-角膜法で求めた房水産生量は、GA処置眼では2.63±0.27μ1/min、対象眼では3.35±0.27μ1/minとGA処置眼で有意に減少していた(p<0.05)。房水流出率、ぶどう膜強膜流出量、房水蛋白濃度にはGAエステルを点眼しても影響がなかった。 GAエステルの眼圧下降機序は、主として房水産生の抑制によるものと考えられた。また、GAエステルの点眼は、血液房水関門に大きな影響を与えないと考えられた。 2.GAの眼内移行の検討 トリチウムでラベルした、GAエステルを点眼すると、点眼1時間後の時点で総点眼量の12.367%が結膜に、0.065%が角膜に、0.010%が前房水中に、0.017%が虹彩に、また、0.010%が毛様体に検出された。 3.GAのメラニン色素との結合実験 GAエステル、チモロ-ルのメラニン色素との結合量を測定した。メラニン色素はド-パとチロシナ-ゼから合成した。 チモロ-ルメラニン色素に濃度依存的に結合した。しかし、GAエステルはメラニン色素と結合しなかった。 チモロ-ルの白色家兎に対する眼圧下降作用は、有色家兎に対するものよりも大きかった。GAエステルの眼圧下降作用は白色家兎、有色家兎の間で差がなかった。
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