研究課題/領域番号 |
63570839
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
金井 淳 順天堂大学, 医学部・眼科学教室, 教授 (00053059)
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研究分担者 |
高野 俊之 順天堂大学, 医学部・眼科学教室, 助手 (30163231)
小林 千博 順天堂大学, 医学部・眼科学教室, 助手 (20162000)
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キーワード | 家兎眼同種角膜移植 / 家兎眼異種角膜移植 / 免疫反応 / シクロスポリン点眼剤 / α-シクロデキストリン |
研究概要 |
全層角膜移植後の混濁の大きな原因として免疫反応が挙げられる。シクロスポリンの開発により、臓器移植は急速な発展がもたらせられた。我々は以前から上記免疫抑制剤の局所投与による角膜移植後の免疫反応抑制効果について研究してきた。シクロスポリン(CYA)は水に溶けづらく、我々はα-シクロデキストリン(α-CD)によって溶解することを見つけた。角膜内移行は0.02%CYA(α-CD:40mg/ml)で4133±467ng/gr、0.075%CYA(α-CD:80mg/ml)で4866ng/grと過去の油性溶解に比べて約10倍の高濃度で移行していた。家兎角膜交換移植で0.025%CYA点眼を4回/日を行い、マスク法にて免疫抑制効果について100日間観察した。CYA点眼投与群では10眼中10眼、α-CD点眼のみのコントロ-ル群では10眼中4眼と有意にCYA点眼群が移植片角膜の透明性が維持された。更に初回移植で混濁した7眼を用いて再移植を行い、0.025%CYA点眼を行い、7眼中6眼が50日間透明性を維持していた。次に0.05%CYA点眼を用いて家兎角膜移植後2週間目に皮膚交換移植を行い感作を強めた状態下での免疫抑制効果について調べた。0.05%CYA点眼群では10眼中8眼が、コントロ-ル群で6眼中1眼が術後50日後に移植片の透明性が得られた。次にラット角膜(7mm)を家兎角膜に表層移植し、同様の点眼で比較した。CYA点眼群では5眼中4眼が、コントロ-ル群では6眼中0眼が術後50日後に透明性を維持していた。両実験群ともCYA点眼投与群が有意に移植片角膜の透明性を維持していた。
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