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1988 年度 実績報告書

放射線によるレジン重合を応用した実験的抜歯創の治癒過程における新生血管の研究

研究課題

研究課題/領域番号 63570859
研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

岸 好彰  神奈川歯科大学, 歯学部, 助教授 (60084779)

キーワードレジンの放射線重合 / コバルト60 / 抜歯創 / 新生血管 / 走査型電顕
研究概要

新しい実験方法であるレジン樹脂を放射線照射によって重合させる実験は、チューブに樹脂を入れて重合させた予備実験と同様に、イヌ血管に樹脂を注入した後にコバルト60を照射して重合させた場合にも、同じ照射量で充分に重合させることができた。コバルト60の照射時間3時間、3×10^6ラッドで充分であることがわかった。したがって抜歯創の治癒過程における新生血管の研究に、この放射線重合法を用いることが可能であるとの結論を得ることができた。次にもう一つの課題である実験的抜歯創の治癒における新生血管の研究は、イヌの前歯、白歯を抜去した後、術後5、10、15日目について実験を行った。その結果、
1.5日目:(1)創口は深く陥没し、歯肉は創口に向かって内翻している。(2)抜歯創のうち歯肉部では上皮直下の毛細管100pがglomerular typeに変化する。合成樹脂の血管外漏出がみられる。(3)抜歯窩の中央は血餅で満たされ、その周囲は肉芽組織によって包まれている。この中に既存の歯根膜から起こった新生血管が侵入し、密な血管網を形成している。
2.10日目:(1)創口は増殖した歯肉によって一応閉鎖されている。(2)歯肉部のglomerular typeのloopは数が減少し、背が低くなる。固有層の血管網と抜歯窩血管網との連絡路ができる。(3)抜歯窩では既存の血管の拡張が起こり、新生血管の新生が盛んである。新生骨梁の形成がみられる。
3.15日目:(1)創口は歯肉によって閉鎖されるか浅い溝が残る。(2)歯肉部の新生上皮下には、密な不規則の血管網がみられる。固有層の血管網の形態は不規則である。(3)抜歯窩は新生血管で満たされる。肉芽組織に線維化が起こり、血管の走向は線維に治って走るようになり、網目が規則的になる。新生骨梁が蜂巣状に成長する。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 岸好彰: 歯界展望. 71巻3号. 812 (1987)

  • [文献書誌] 岸好彰: Acta anatomica. 132. 17-27 (1988)

  • [文献書誌] 岸好彰: J.of Endodontics. 14. 475-481 (1988)

  • [文献書誌] 岸好彰: Recent advances in periodontology. 587-590 (1989)

  • [文献書誌] 岸好彰: Recent advances in periodontology. 587-590 (1989)

  • [文献書誌] 岸好彰: 歯科基礎医学会雑誌. 31. 112-114 (1989)

  • [文献書誌] 岸好彰 他: "自分でつくるぬりえ ー口腔解剖ノート(改訂版)" 学建書院, 1-102 (1989)

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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