研究課題/領域番号 |
63570862
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研究種目 |
一般研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
形態系基礎歯科学
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研究機関 | 朝日大学 |
研究代表者 |
森脇 豊 朝日大学, 歯学部, 教授 (90028738)
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研究分担者 |
飯島 まゆみ 朝日大学, 歯学部, 助手 (80164838)
土井 豊 朝日大学, 歯学部, 助教授 (40116067)
吉田 定宏 朝日大学, 歯学部, 教授 (40076005)
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研究期間 (年度) |
1988 – 1989
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キーワード | 硬組織石灰化 / エナメル質アパタイト / ハイドロキシアパタイト / オクタカルシウムフォスフェ-ト / 結晶成長 / 結晶配向 / 結晶核形成 / Crystal orientation |
研究概要 |
カチオン選択性透過膜を生体膜モデルとして利用し、イオンを一方向的に拡散させることにより、生成結晶を配向析出させることに成功した。この実験方法を用いれば、膜上に非晶質リン酸カルシウム(ACP)、第2リン酸カルシウム2水塩(DCPD)、オクタカルシウムフォスフェ-ト(OCP)等のアパタイト前駆物質を自由に析出させることが可能であり、イオン供給速度、pH等の反応条件を変えることにより無配向あるいは配向状態の結晶を生成させることができる。 OCPのリボン状結晶の配向体は、これを加水分解することによりエナメル質様の結晶性と配向性を示すハイドロキシアパタイトが得られる。 カチオン選択性透過膜上の析出結晶相は、イオン濃度、pH、イオン供給速度によって変化するばかりでなく、そのモルフォロジ-と結晶性は微量の共存イオンの種類によっても著しく影響されCO_3^<2->F^-の効果が大きいこともわかった。加水分解速度は結晶相によって異なるが結晶性にも依存することがわかった。OCPを加水分解してハイドロキシアパタイト(HAP)に転化させる際の加水分解条件も結晶の形態を支配する重要な因子であり、結晶核形成、結晶成長、加水分解の各過程における経過時間が最も大切である事も判った。 骨、象牙質の石灰化では結晶の配向性は重視されない。そのため、これらの無機質ハイドロキシアパタイトの前駆物質を膜を使用しない溶液法でも合成し、これらの加水分解をも検討した。前駆物質としてOCPを選び、これらを加水分解してHAPに転化される際の反応速度について調べた。その結果、pH条件にて差はあるものの、APが最も速く、DCPDが最も遅かった。
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