研究課題/領域番号 |
63570863
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
亀山 洋一郎 愛知学院大学, 歯学部病理学教室, 教授 (70113066)
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研究分担者 |
前田 初彦 愛知学院大学, 歯学部病理学教室, 講師 (30175591)
竹花 茂樹 愛知学院大学, 歯学部病理学教室, 講師 (40159009)
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キーワード | 動物 / 舌 / 創傷 / ヘテロサイクリックアミン |
研究概要 |
本研究では、ハムスターの舌にまず創傷を形成し、その創傷部にヘテロサイクリックアミンの1つである3-amino-1-methsl-5H-pyrido〔4、3-b〕indole(Trp-p-2)を塗布した後、再度その部分に創傷を形成し、創傷部の治癒過程にみられる上皮の変化を光学顕微鏡的および電子顕微鏡的に検索した。 光顕的検索:全ての群でまずはじめに舌尖(2m)を切除した。その後A群:DMSO→再度舌尖切除→DMSO、B群:Trp-p-2→再度舌尖切除→無処置、C群:Trp-p-2→再度舌尖切除→DMSO、D群:Trp-p-2→再度舌尖切除→Trp-p-2、→E群:無処置→再度舌尖切除→Trp-p-2、F群:DMSO→舌尖無切除→DMSO、G群:Trp-p-2→舌尖無切除→無処置、H群:Trp-p-2→舌尖無切除DMSO、I群:Trp-p-2→舌尖無切除→Trp-p-2、J群:無処置→舌尖無切除→Trp-p-2。 電顕的検索:a、c、d群では、それぞれA、C、D群と同様な処置を行なった。 光顕所見。A群およびFからG群では、舌の上皮は正常な治癒過程を示した。B群では、舌の上皮には前癌病編である上皮性異形成が認められた。C群では、舌の上皮にはB群よりも強い上皮性異形成が認められた。D群では、舌の上皮にはB群やC群よりも強い上皮性異形成がみられた。E群では、舌の上皮にはB群よりも軽度な上皮性異形成がみられた。 電顕所見。a群と比べて、c、d群では、上皮の基底細胞は多形性を示し、ミトコンドリア、リボゾームなどの細胞内小器官は増加していた。また、多くのところでは、基底細胞下のベーサル・ラミナは著名な肥厚、断裂・下垂・多層化を示していた。棘細胞にはトノフィラメントの異常な凝集がみられた。さらに、角化層に近い棘細胞の核内には、ときにはウィルス様粒子が多数認められた。
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