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1989 年度 実績報告書

マウス切歯の発生分化における上皮成長因子遺伝子の発現時期と部位

研究課題

研究課題/領域番号 63570870
研究機関岡山大学

研究代表者

野地 澄晴  岡山大学, 歯学部, 助手 (40156211)

研究分担者 谷口 茂彦  岡山大学, 歯学部, 教授 (50034161)
山合 友一朗  岡山大学, 歯学部, 助手 (00158057)
キーワード上皮成長因子遺伝子 / レチノイン酸レセプタ-遺伝子 / マウス歯 / In situ hybridization
研究概要

前年度において、この研究に必須なin situ hybridization(ISH)法をほぼ確立した事を報告した。今年度は、その方法を用いてマウス切歯の発生に伴う上皮成長因子遺伝子の発現時期と部位を決定する予定であった。ところが、同様の実験が南カルホルニア大学のスラブキン博士の研究グル-プにおいて行われ、すでに論文として投稿したという情報を4月に得た。そこで、我々は、この課題の遂行をあきらめ、次の重要な課題である、“EGFの遺伝子発現が、何によって調節されているか"に、目的を変更した。そこで、EGF遺伝子発現に密接に関係していると思われるレチノイン酸に着目し、そのレセプタ-の遺伝子発現を、我々が、独自に開発したISH法を用いて、研究した。ヒトおよびマウスのレチノイン酸レセプタ-(RAR)のcDNAをピエ-ル シャンボン博士から供与していただき、それを、SP6-T7RNA合成酵素のプロモタ-を持ったベクタ-にサブクロ-ニングし、リボプロ-ブを合成した。そのプロ-ブを用いて、RAR遺伝子の発現を調べたところ、以下の事が判明した。(1)RARα遺伝子は、いずれの時期においても均一に弱く発現している。従って、ハウスキ-ピング遺伝子である可能性が示唆された。(2)RARβ遺伝子は、発生の初期には、脊髄の腹側、顔面の目、歯鼻のできる位置に特異的に発現しており、神経細胞の分化、および予定細胞死に何らかの、関係が示唆された。(3)RARγ遺伝子は、発生の過程を通じて、将来骨形成が生じる場所に特異的発現し、さらに皮膚の分化にも関係があることが示唆された。以上の事から、歯の発生には、主にレチノイン酸レセプタ-のβとγサブタイプが密接に関係している事が解明され、従って、EGFの遺伝子発現は、レチノイン酸が、RARに結合し、さらにその複合体が、EGF遺伝子のシスエレメントに結合し調節されていると推測した。

  • 研究成果

    (5件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (5件)

  • [文献書誌] 野地澄晴、山合友一朗、小山英樹、谷口茂彦: "リボプロ-ブを用いた改良in situハイブリダイゼ-ション法による上皮成長因子および神経成長因子遺伝子のマウス顎下腺における発現部位" Radioi sotopes. 38. 366-372 (1989)

  • [文献書誌] S.Noji,T.Yamaai,E.Koyama,T.Nohno and S.Taniguchi: "Spatial and temporal eppression pattern of retinoic aeid receptor genes during mouse bone derelopment." FEBS Lett.257. 93-96 (1989)

  • [文献書誌] S.Noji,T.Yamaai,E.Koyama,T.Nohno,W.Fujimoto,J.Arata,S.Taniguchi: "Expression of retinoic acid receptor genes in Keratinizing front of skin" FEBS Lett.259. 86-90 (1989)

  • [文献書誌] 四童子好広、野地澄晴: "レチノイン酸の生理機能" 代謝. 26. 327-340 (1989)

  • [文献書誌] N.Osumi-Yamashita,S.Noji et al.: "Expression of retinoic acid receptor genes in the neural crest derived Cells during mouse facial development" FEBS Lett.

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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