研究課題/領域番号 |
63570872
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
大山 義彦 広島大学, 歯学部, 助手 (30169081)
|
研究分担者 |
笛吹 恵美子 広島大学, 歯学部, 助手 (50203518)
|
キーワード | チトクロムP-450 / ビタミンD_3 / ビタミンD_325-水酸化酵素 / 25-ハイドロキシビタミンD_324-水酸化酵素 |
研究概要 |
ビタミンD_325水酸化酵素は、肝臓のミクロゾーム画分とミトコンドリアに存在している。当研究室の林らは、雄ラットミクロゾームから活性を指標とし、本酵素(P-450cc25)を精製した。最終標品は、電気泳動上単一バンドにもかかわらず、雄特異的なP-450_<M-1>が有するテストステロンの2α16α位の水酸化活性を示した。この標品が単一であるか否かを、異なるエピトープを認識する3種のモノクローナル抗体を用い検討したところ、両活性は、免疫化学的には識別できないことが判明した。そこで、P-450M-1のcDNAの発現と酵母菌を用いて行った。発現したP-450は、テストステロンの水酸化活性のみを示し、ビタミンD_325水酸化活性は認められなかった。異常のことから、ビタミンD_325水酸化酵素は、P-450_<M-1>と、一次構造上は異なるが、免疫化学的性質は類似しているP450であることが判明した。一方、雌ラットミクロゾームには、P-450cc25とは、カラム挙動、免疫化学的にも全く異なる25水酸化酵素が存在することを見い出した。 ミトコンドリアの25水酸化酵素は舛本らが、雌ラットより電気泳動上単一バンドにまで精製した。本酵素活性は、精製過程で、3α、7α、12α、コレスタントリオール27水酸化活性と同一の挙動を示し、最終標品はこれらの生理的意義の異なる2種の水酸化反応を触媒した。この標品の単一性を確かめるために、部分失活、阻害など酵素化学的に検討した結果、両活性が単一酵素によることが示唆された。しかし、ONAレベルでの検討が必要であると考えている。 D_3の活性化の次の段階の腎臓での水酸化酵素のうち、25-ハイドロキシビタミンD_324水酸化酵素の抗体をマウスより得ることに成功し、さらにモノクローナル抗体の作製を行っている。抗体がそろい次第、他の水酸化酵素との相異について検討する。また、CDNAライブラリーのスクリーニングが可能となった。
|