研究課題/領域番号 |
63570874
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
福富 茂 徳島大学, 歯学部, 助手 (60199247)
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研究分担者 |
前田 直樹 徳島大学, 歯学部・附属病院, 助手 (10219272)
上村 修三郎 徳島大学, 歯学部, 教授 (20028799)
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キーワード | プロトンNMR / 反転回復法 / 二次元NMR / 耳下腺唾液 / 顎下腺唾液 |
研究概要 |
前年度までに、耳下腺唾液及び顎下腺唾液のプロトンNMRスペクトルの正常型を同定した。しかもそのスペクトルは、日内変動によりシグナル強度は変化するがスペクトルパタ-ンには変化を認めず、また年齢差、性差による変化も認めないことを明らかにした。更に唾液腺炎、唾液腺腫瘍などの患者の唾液は、正常型とは異なるスペクトルを示すことが明かとなった。そこで今年度は正常耳下腺唾液のプロパンNMRスペクトルに関して、更に解析を進めた。まず、interval time O.4sのinversion recovery法を用いて、高分子と低分子を区別した。これは、緩和速度の違いを利用したもので、一般に緩和速度の遅いものほど高分子であることを示している。次にstandard pulse sequenceを用いて二次元NMR(COSY,HOHAHA)を測定した。二次元NMRの交差ピ-クは一次元NMRよりも分離がよい為、一次元NMRスペクトルで信号が重なり合って分離できていなかったシグナルの同定が容易となった。このように、緩和時間、化学シフト、カップリング定数、二次元NMRスペクトルによるスピンの結合様式等から、いくつかのペプチドのアミノ酸残基、酢酸塩、乳酸塩等の信号を帰属できた。更にある特定の唾液腺炎患者では、アルコ-ルのピ-クが観察されたり、また、Lys εCH2相当するシグナルの消失をみた。これらのシグナル動態が疾患に特異的なものかどうかはまだ検討が必要である。
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