研究課題/領域番号 |
63570876
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研究機関 | 東日本学園大学 |
研究代表者 |
東城 庸介 東日本学園大学, 歯学部, 助教授 (90111731)
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研究分担者 |
谷村 明彦 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (70217149)
奥村 一彦 東日本学園大学, 歯学部, 助手 (60194510)
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キーワード | 耳下腺 / 唾液腺 / カルモジュリン / アミラ-ゼ分泌 / カルシウム / カルシウム・キレ-ト剤 / 開口分泌 / カルモジュリン阻害薬 |
研究概要 |
1.耳下腺アミラ-ゼ分泌に対する細胞透過性Caキレ-ト剤BAPTA-AMの効果を調べた。5-100μMのBAPTA-AMで細胞を前処理した場合,イソプロテレノ-ル(ISO)によるアミラ-ゼ分泌は濃度依存的に低下し、そのIC_<50>値は25μMであった。このキレ-ト剤は細胞内ATPレベルの低下をも引き起こしたが、そのIC50値は100μM以上であった。アミラ-ゼ分泌の低下とATPレベルの低下とは必ずしも相関しなかったことから、BAPTA-AMの分泌抑制作用は単にATPレベルの低下のみによっては説明できない。 2.細胞内Ca^<2+>濃度(〔Ca^<2+>〕i)に及ぼすISOの効果についてCa蛍光試薬のfura-2を用いて調べた。1μMISOでは〔Ca^<2+>〕iはほとんど変化しなかったが、より高濃度のISOでは〔Ca^<2+>〕iの上昇がみられた。8-Br-cAMPは無効果であった。ISOによる〔Ca^<2+>〕i上昇作用は、β-遮断薬であるプロプラノロ-ルよりもα-遮断薬であるフェンドラミンで効果的に遮断された。プロプラノロ-ルのED_<50>値は13.2μMであったのに対し、フェントラミンのED_<50>値は7.6nMであった。これらの結果は、ISOの〔Ca^<2+>〕i上昇作用はα_1-アドレナリン受容体刺激を介して起きることを示唆しており、β-受容体刺激はCa^<2+>動員を引き起こさないのかも知れない。 3.〔Ca^<2+>〕iに対するカルモジュリン阻害薬の効果を調べた。W-7とW-5はゆっくりとした〔Ca^<2+>〕iの上昇を起こした。両者の効果に差がなかったことから、この作用はカルモジュリン阻害を介したものではない。カルバユ-ルによるC^a動員に対しW-5は無効果であったが、W-7はさらなる〔Ca^<2+>〕iの上昇を起こした。この作用がカルモジュリン阻害によるか否かは今後の検討が必要である。
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