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1989 年度 実績報告書

歯周病原菌によるsubgigival siteへの定着・侵入のメカニズムの解明:特にBacteroides gingivalisの病原因子について

研究課題

研究課題/領域番号 63570878
研究機関東京歯科大学

研究代表者

内藤 祐子  東京歯科大学, 歯学部微生物, 講師 (00147258)

研究分担者 石原 和幸  東京歯科大学, 歯学部微生物, 助手 (00212910)
加藤 哲男  東京歯科大学, 歯学部微生物, 助手 (00159253)
太田 功正  東京歯科大学, 歯学部微生物, 助教授 (30138680)
奥田 克爾  東京歯科大学, 歯学部微生物, 教授 (40085741)
キーワードBacteroides gingivalis / collagen / 成人性歯周炎 / adherence
研究概要

Bacteroides(Porphynomonas)gingivalisは最も有力な成人性歯周炎の病原細菌である。本研究は唾液や歯根膜成分と本菌種の相互作用を検討することにより実際にsubgingival siteでどのように歯周炎が進行しているかそのメカニズムを解明するのを目的として、hydrooxyapatite beads(HA)を利用して種々の検討を行なった。
最近、本菌における組織侵入性、膿瘍形成能を指標としての菌株による違いや表層多糖成分による血清型の分類糖が相次いで報告されている。そこで今年度は本菌の菌株における付着性のheterogeneityについて検討を行なってみた。
その結果、電顕的にfimbriae構造を保有している菌株はsalivaやcollagenをcoatしたHA(S-HA、C-HA)によく付着した。形態的に同様なfimbriae構造を保有していても組織侵入性があり病原性の強いとされている株(A7A1-28,16-1)は、非侵入性株(33277,381)に比べて一般にcollagen等への付着性は低かった。一方、fimbriae構造が認められなかった株(W83,W50)はほとんど付着性を示さなかった。表層多糖成分による血清型の異なる株ではその付着性に顕著な差は認められず、表層多糖物質の関与は否定された。歯周組織成分であるlaminin,fibronectinに対する付着性についても同様に検討を行なったが、特にfibronectin存在下ではcollagenへの付着は抑制された。さらに、tetracycline存在下で培養するとsalivaやcollagenへの付着は著しく減少することも判明した。以上のことからB.gingivalisのS-HAおよびC-HA付着性にはheterogeneityが存在することが示唆された。しかも、この系への付着にはfimbriaeが関与していることも推定された。今後、fimbriaeのうちS-HAやC-HA付着に関与する種類の解明や病原性との関連について詳細な検討が望まれる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] 内藤祐子: "Bacteroides gingivalisの付着性について-Hydrooxyapatite beadsを用いて-" 日細菌誌. 45. 465 (1990)

  • [文献書誌] K.Osawa: "Inhibitory effect of Bacteroides gingivalis collagenolytic activity by an aqueous extract of Cacao Bean Husk" Bull Tokyo dent Coll. 31. (1990)

  • [文献書誌] 石原和幸: "歯周炎病原菌由来の酵素活性を指標とした迅速診断法 Sk-013の特性と酵素特異性の検討" 日歯周誌. 32. 225-231 (1990)

  • [文献書誌] 清田築: "歯周炎病原菌由来の酵素活性を指標とした迅速診断法(Sk-013)細菌叢におけるB.gingivalis,B.forsythus,T.denticolaとの関連性" 日歯周誌. 32. 232-240 (1990)

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公開日: 1993-03-26   更新日: 2016-04-21  

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