実験材料として、スケ-ラ-は山浦社製ニュ-タグライトキュレットスケ-ラ-#G1(以後N.T.C.と略す)とシックルスケ-ラ-#11DB(以後N.T.S.と略す)をコントロ-ルとして用い、N.T.C.に400℃と180℃でチタンを蒸着したもの(以後Ti.400、Ti.180と略す)とN.T.S.スケ-ラ-に30〜40μmと20〜30μmのダイヤモンド粒子を電着したスケ-ラ-を使用した(以後Dー500、Dー600と略す)。 実験結果 1.Ti.400とN.T.C.の切れ味を比較した結果、Ti.400はN.T.C.より切れ味が速く低下し、SEM像でもTi.400はN.T.C.より刃端の変形が著明だった。 2.Ti.180とN.T.C.を切れ味について比較するとTi.180はN.T.C.より切れ味の耐久性が優れていた。SEM像はスケ-リング操作回数が増加するにしたがいTi.180に比べN.T.C.が刃端の変形が著明になった。 3.Dー500スケ-ラ-とN.T.S.と比較すると、スケ-リング操作回数が多くなるにしたがい、Dー500の切れ味の耐久性が優れその差は大きくなった。SEM像は未使用N.T.S.スケ-ラ-のように刃部が明瞭な線角としては認められず、多数のダイヤモンド粒子が電着している像がみられた。しかし、スケ-リング操作回数が増加するとダイヤモンド粒子の一部が欠けていくのが観察されダイヤモンド粒子が欠けている像も見られたが、削除量の低下は少なかった。 4.Dー600スケ-ラ-とN.T.S.と比較すると、Dー600の切れ味の耐久性が優れていた。Dー600とDー500を比較すると操作回数が少ないと差は少ないが、操作回数を増すとDー600がDー500よりやや耐久性に優れていた。これらの結果より、チタンコ-ティングとダイヤモンド電着スケ-ラ-による切れ味の耐久性はN.T.S.より優れていた。
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