研究課題/領域番号 |
63570908
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
石幡 伸雄 東京医科歯科大学, 歯学部, 助手 (70114733)
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研究分担者 |
奥野 攻 東京医科歯科大学, 医用器材研究所金属材料部門, 助教授 (50014080)
水谷 紘 東京医科歯科大学, 歯学部, 講師 (00014324)
藍 稔 東京医科歯科大学, 歯学部, 教授 (00013889)
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キーワード | サマリウムコバルト合金(SmCo_5)磁石 / 磁性アタッチメント / 骨植不良歯への応用 / 障害者への応用 |
研究概要 |
サマリウムコバルト合金(SmCo_5)磁石の磁性アタッチメントを試験的に臨床に応用して数年経過したが、基礎実験では十分と思われた防錆対策が、口腔内という悪循環のもとでは最長で2年しか効果のないことが判明した。臨床的には錆びて磁力が消失するたびに新しいアタッチメントと交換しているのが実状である。防錆対策については鋭意努力中である。そこで今回SmCo_5磁石の防錆対策が完全になるまで、長期間に渡って口腔内に使用されても錆びないことが証明されている白金コバルト磁石を磁性アタッチメントとして使用可能かどうかについて検討した。その結果、4^φ×1.5mm^tの磁石を用い閉回路を形成した場合172gの吸引力が得られ、同じ条件のSmCo_5磁石における460gの2/5の吸引力であった。500g以上が必要とされる主維持装置には適さないが、側方力の負荷が悪影響を及ぼす骨植不良歯に対する副維持装置としては十分使用可能であることが判明した。数症例において現在臨床応用中である。 次に磁性アタッチメントの維持力の特性を、従来の維持装置と比較検討するため、維持力あたりの取りはずしエネルギ-を求めた。従来の維持装置としてはコ-ヌステレスコ-プ、コノ-アタッチメント、OPアンカ-アタッチメント、レスト付クラスプを使用した。その結果、磁性アタッチメントは垂直的に臨床的に最善とされるコ-ヌステレスコ-プと同程度のエネルギ-量ではずれ、しかも水中的には他の維持装置には全くみられないような小さな値を示した。つまり基礎実験からも骨植不良歯にも応用可能であることが明らかにされた。 また臨床応用として障害者に使用した5症例については良好な経過が得られ、さらに20症例に及ぶ骨植不良歯に対する応用についても確かな手ごたえを得ており、磁性アタッチメントの応用が極めて広範囲に行われることが判明した。今後さらに経過を観察していく予定である。
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