研究概要 |
被験者として正常有歯顎者(10名)を選択した(年令24才〜30才)。各被験者の上下顎歯列模型、オルソパントモ及び顎関節X線写真(シューラ氏法)を基礎的資料として準備した。この資料にはEMG分析時に筋活動パターンと各個人の咬合形式あるいは顎関節形態との関連性について検討する時に必要と考える。昭和63年度本実験計画の課題は咀嚼時のヒト外側翼突筋のEMGの記録であるが、予備実験として外側翼突筋のEMG導出に際して、同心針電極とbipor fine wire electrode(Basmajian,Stece)についての両者の本実験の適性について検討した。その結果、同心針電極は波形が安定しているが、咀嚼中当該筋に痛みが発生するなど侵襲性が高く咀嚼に困難性を訴えた。一方、wire electrodeではwireが筋中で動揺移動し、EMGに安定性を欠くが咀嚼中痛みや違和感を訴えなかったり、本筋への電極刺入は難しく失敗することも多く被験者に負担を与えていたが、本年度備品設備である2チャンネル筋電計(三栄測器社製)の設置により本筋の電極刺入の確認をEMG波形の出現としてモニターできることは本実験の遂行にあたって大きな役割を果している。 被験者10名中5名についてはチューインガム、スルメ、カマボコの3食品の咀嚼50ストロークを片側の咬筋、側頭筋前部、側頭筋後部、外側翼突筋下頭の4筋のEMGとMKG下顎運動曲線との同時記録を行いすでにデータレコーダに収録済みである。
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