研究課題/領域番号 |
63570932
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
草間 幹夫 東京医科歯科大学, 歯学部・第二口腔外科, 助手 (60124690)
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研究分担者 |
小野 富昭 東京医科歯科大学, 歯学部・第二口腔外科, 講師 (80014207)
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キーワード | MTX / 5-Fu / 併用療法 / 化学療法 / 口腔癌 / 殺細胞効果 / 感受性試験 / 癌細胞株 |
研究概要 |
本年度はMTX.5-Fu併用の有用性をin vitroの実験系で検討する目的でcolony forming assayによる感受性試験を行った。 すなわちlog-growth期にある各々の癌細胞をトリプシン処理にてsingle cell suspensionを作り、Falcon dishに200細胞づつ分注し、24時間in vifate後に、2時間あるいは24時間薬剤を作用させた。このときの薬剤濃度を3段階もうけた。Fresh Mediumにて洗浄後、10日から2週間培養した。その後生残コロニ-数を算定した。その結果、(1)現在使用しているMTX単味の薬剤量では殺細胞効果が低く、5-Fu単味の殺細胞効果は比較的良好であった。(2)MTXと5-Fuの殺細胞効果は濃度依存性であり、濃度を上げていくと高い殺細胞効果が得られた。(3)MTX5-Fu併用による殺細胞効果については、相乗効果の得られた細胞株もあったが、癌細胞株によっては5-Fu単味に比して逆に殺細胞効果が低下したものもあった。すなわちin vivoではMTX5-Fu併用療法で良好な結果が得られているのに対し、in vitroでは異なる結果が得られたものもあった。これは、in vivoとin vitroの薬剤動態や細胞のmicroenvrironmentなどが異なることが考えられた。特に、MTXは5-Fuの細胞内へのとり込みを促進させるという報告もあるが、今回の検索で、ある種の口腔扁平上皮癌細胞株は、MTXによって5-Fuの細胞内へのとり込みが障害されるか、あるいはMTXによって5-Fuの細胞外への排出が亢進することが推察された。in vivoでは細胞間のこれらの薬の動態がin vitroとは異なることが示唆された。今後はマウスの背部に移殖した腫瘍を用いて、これら薬剤の効果を検索したいと考える。
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