研究課題/領域番号 |
63570945
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
原田 康雄 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30119250)
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研究分担者 |
西川 慶一 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30180590)
境野 利江 昭和大学, 歯学部, 助手 (50153862)
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キーワード | 歯科用X線装置 / 品質管理 / X線出力 / X線線質 |
研究概要 |
私達の目標は、すべての歯科診療所と病院で簡単に歯科用X線装置の品質管理ができるように、安価でしかも高性能な測定器を開発し、普及させることである。測定すべき項目とその精度はJIS Z4701、4702に準拠して日本放射線機器工業会が定めた『X線診断装置の保守管理データブック』にあるX線出力試験の仕様を満たすものであることとした。 1.このような測定器を製作する原理とそのコンピュータシミレーションの結果は、今年度に第29回日本歯科放射線学会総会にて「歯科用X線装置の管電圧、総濾過、半価層の迅速測定法」として発表した。そこで私達は濾過を受けたビームを照射線量で正しく測定できれば、理論から求めたX線スペクトルによって管電圧、総濾過、半価層が容易に推定できることを示した。 2.実際の試作器では、管電圧と管電流波形の過渡的な変化に追従できるように、高感度な蛍光体と応答の早いフォトダイオードを組み合わせた検出器を用いる必要がある。気体電離箱は応答が遅いのでこの目的には不適当である。このため検出器の照射線量に対するエネルギー依存性の問題が避けられず、またこのような検出系では理論的な予想を立てにくい。 3.現在市販のQA機器(NERO等)についてその性能評価を行ったところ、(1)固有濾過の影響を受け、(2)その影響を小さくするために厚いフィルルターを用いているのでピーク付近の管電圧の情報しか得られず、(3)出力も低エネルギー成分がフィルタリングされてモニタできないという問題があることが明らかとなった。これらの点を改良するには少くともビームをモニタする3つの検出器が必要と考える。 今年度の1の成果をふまえて、次年度には以上の2と3の問題を解決する実験とシミレーションを行う計画である。
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