研究課題/領域番号 |
63570945
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研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
原田 康雄 昭和大学, 歯学部, 助教授 (30119250)
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研究分担者 |
西川 慶一 東京歯科大学, 歯学部, 助手 (30180590)
境野 利江 昭和大学, 歯学部, 助手 (50153862)
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キーワード | 品質管理機器 / QA / 歯科用X線装置 / 管電圧波形 / 線量率波形 / 非侵襲 |
研究概要 |
X線装置の品質管理機器として、照射線量率を速い応答で測定し、同時に管電圧波形を測定するために、蛍光体とフォトダイオ-ドの組み合わせからなる検出系について検討した。用いる蛍光体の発光スペクトルとフォトダイオ-ドの分光感度の関係や応答速度、X線の線質に対する検出系のエネルギ-依存性を調べた。 蛍光体は数社のCaWO_4系と希土類系の増感紙およびZnS蛍光板を用いた。フォトダイオ-ドは分光特性の異なる浜松ホトニクス社製S2387、S1227、S1226を用いた。これらの組み合わせをテストするため、フォトダイオ-ドからの出力をアンプで増幅し、その信号をいったんデジタルカセットデ-タレコ-ダに記録して、オフラインでラップトップパソコンにてデ-タ解析をし、感度、エネルギ-依存性について評価した。また時間応答についてはアンプからの出力を直接ストレ-ジオシロスコ-プに取り込んで出力波形を評価した。 その結果、いずれの組み合わせでも立ち上がりはX線出力に十分な速度で追従したが、最も応答特性が優れていたのは希土類増感紙とS2387フォトダイオ-ドの組み合わせであった。ZnS蛍光板は検出感度は優れていたが出力波形の裾の部分に残光の影響で歪が生じた。またCaWO_4系増感紙や他のフォトダイオ-ドでは感度が数分の1に低下した。どの検出系でも線量率依存性は見られなかったが、若干の線質依存性を示したため、実際の使用条件ではなんらかの線質補正を行う必要があり、それはビ-ムの十分な濾過で可能であると考えた。以上のことから、希土類蛍光体とフォドダイオ-ドの系はX線品質管理(QA)機器の検出器として十分な適性を持つと結論した。これらの結果に基いて次年度では、検出器とパソコンによるデ-タ処理系をアッセンブルし、QA機器としての全体の性能を検討する予定である。
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