研究課題/領域番号 |
63570947
|
研究機関 | 昭和大学 |
研究代表者 |
久野 斉俊 昭和大学, 歯学部・歯科麻酔科, 講師 (20119184)
|
研究分担者 |
岡 秀一郎 昭和大学, 歯学部・歯科麻酔科, 助手 (60175255)
|
キーワード | 血液希釈 / 低血圧麻酔 / 循環動態 / 臓器血流 / アデノシン3リン酸 / トリメタファン / 3%デキストラン40 |
研究概要 |
GDF麻酔下の雑種成犬22頭にHct23〜25%の急性血液希釈(20ml・kg^<-1>脱血及び40ml・kg^<-1>の3%デキストラン加乳酸加リンゲル液注入)を施し、さらにアデノシン3リン酸(ATP)あるいはトリメタファン(TMP)を用い60分間低血圧(平均動脈血=60mmHg)とし、(1)HD群(血液希釈のみ)、(2)HD/ATP群(血液希釈及びATP低血圧)(3)HD/TMP群(血液希釈及びTMP低血圧)の3群について循環動態ならびに臓器血流の測定を行い各群について比較検討した。その結果 1.HD群では心係数、中心静脈圧、平秦動脈圧は希釈後60分時までコントロール値以上に保たれた。しかし腎髄質血流は希釈後60分時有意な減少を示した。 2.HD/ATP群では心拍数は低血圧60分時に有意な減少を示した。一方心係数、中心静脈圧は低血圧時も有意な上昇を示した。しかし腎皮質血流は低血圧時有意に減少した。 3.HD/TMP群では、心係数は低血圧時に有意に減少した。また腎皮質及び肝血流も低血圧時は有意に減少した。また酸素運搬能の有意な減少に基づく酸素抽出率の有意な上昇が認められた。 以上の結果より、HD/ATPはHD/TMPよりも安全性が高いと考えられた。現在サリンヘスを用いTMF、TNG併用による血液希釈、低血圧麻酔併用時の循環動態及び臓器血流を測定中である。なおPGE_1は非常に高価であり又犬に対しては効果発現のために大量投与を必要とするため、中止した。
|