研究課題/領域番号 |
63570977
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
本川 渉 福岡歯科大学, 歯学部・小児歯科学, 助教授 (60084290)
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研究分担者 |
副島 嘉男 福岡歯科大学, 歯学部・小児歯科学, 助手 (50154696)
久芳 陽一 福岡歯科大学, 歯学部・小児歯科学, 助手 (90131862)
吉田 穣 福岡歯科大学, 歯学部・小児歯科学, 教授 (10084287)
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キーワード | 外傷 / 根未完成永久歯 / 幼犬 / 病理組織学 |
研究概要 |
根未完成永久前歯が外傷により不完全脱臼を起こした場合、加えられた衝撃の方向により受傷歯の歯髄や根尖周囲組織に生じる変化に関して病理組織学的実験を行った。実験には生後5〜6カ月の雑種幼若犬8頭を使用し、歯根完成前の上顎第1及び第2切歯を用いた。実験歯牙の歯根形成状態をできるだけ一定に保つため、実験歯牙は乳歯の動揺が著名となる生後4〜5カ月頃より飼育をはじめ、永久歯交換後レントゲン写真を参考に、実験に供した。実験動物はsodium pentobarabital静注による全身麻酔のもとに、打撃装置を作製し、左側上顎第1、2切歯には切端方向より嵌入を生じるまで衝撃を加えた。一方右側上顎第1、2切歯には、唇面にほぼ直角方向より衝撃を加えた。外傷後は整復、固定は行なわず、予後観察を行なった。実験動物は、術後1カ月毎にレントゲン写真と腔内写真を撮影し、術後3カ月まで歯髄壊死による歯の変色やcalcific metamorphosisの出現について観察した。衝撃を加えた際に歯冠の破折が生じたものがみられた。嵌入した症例でも観察期間中に再挺出し、歯冠の変色も観察されなかった。唇面に対し直角に外力を加えた症例の1週間後において、歯槽骨の骨折を疑わせる症例がみられた。観察期間終了後は、実験部位のレントゲン撮影を行い、動物を屠殺する。その後顎骨を切り出し、50%蟻酸とクエン酸ナトリウムの等量混合液で脱灰し、通法に従いパラフィン包埋を行い、切片標本を作製後、HE染色を施し、歯髄および根尖部組織の変化につき病理組織学的に観察する。なお現在は病理組織標本作製中である。
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