研究実施計画に沿い、以下の成果を挙げた。 1.キラルな1、3-ジオキシン-4-オン類の合成 (1)アシルケテン(【_!1】)またはその等価体とキラルなケトン(例えば1-メントン)からのキラルなスピロ環状ジオキシノン体(【_!2】、【_!3】)の一般確立法を確立した。 (2)同様の手法でキラルなメチレンメルドラム酸体(E-またはZ-【_!4】)の合成法も確立した。 2.キラルなジオキシノン体を活用する新しい不斉合成 (1)2.3の光 [2+2] 付加反応における高い面選択性を活用し、コリーラクトン体(【_!5】)やイリドイド骨格(【_!6】)の高エナンチオ選択性合成法を開発した。 (2)【_!2】をキラルな親ジエン体として活用できることを実証するとともに、そのシクロペンタジエンとのDiels-Alder反応により炭素環C-ヌクレオシド前駆体【_!7】(ee95%)の合成法を開発した。 (3)【_!4】に対するジアゾメタンの付加が完全な面選択性(a側)をもつことを見出し、キラルなシクロプロパン体(S-、およびR-【_!8】)の新合成を開発した。 (4)上記の環化付加反応における高いa面選択性の発現機構を明らかにした。
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