研究課題/領域番号 |
63570982
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
相見 則郎 千葉大学, 薬学部, 助教授 (30009170)
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研究分担者 |
北島 満里子 千葉大学, 薬学部, 教務職員 (60195261)
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キーワード | アカネ科 / オキシインドール / アルカロイド / 配糖体 / カンプトテシン / 構造決定 / 合成 / 生合成 |
研究概要 |
1.キノロン形配糖体アルカロイドpumilosideの構造と合成:Hutchinsonによってその存在が予想されていたcampfothecin生合成中間体をサツマイナモリ属植物チャボイナモリより単離しpumilosideと命名、スペクトル的にその構造を明らかにした。特に問題となるC-3位の立体配置を確認する目的でその合成を続いて行った。キンギンボクから得たsecologaninを出発物質とし、トリプタミンとの縮合を経てstrictosamide acetateとした。次にNaIO_4酸化、続いてEt_3N処理することによりキノロン形化合物とした。本物質の糖部アセチル基をNaOM_<12>で除去して得た配糖体は全ての点で天然pumilosideと一致し、ここに相対および絶対立体配置も確証された。チャボイナモリから得られているもう一種の新規化合物は酸素-原子少なく、各種スペクトル検討の結果、キノリン形化合物8-deoxypumilosideであることが明らかになった。この物質もHatchinsonの想定するcamptothecinのpoststrictosamide中間体の一つであり、ここに得られた知見は、単なる仮説にすぎなかったcamptothecin生合成経路の実証に重大な手がかりを与えるものである。 2.Uncaria salaccensisの新規seco型オキシインドールアンカロイド類の合成:標記植物からUS-6〜9の4種の変形オキシインドール類を得ている。その合成研究を行い、hydroxytryptamineと4-benzyLoxy-n-heptanalの縮合を経る経路でUS-6とその立体異性体を得た。一方カギカズラのrynchophylineあるいはisorhynchophyllineを過酸酸化でN-オキシドとし、無水トリフルオロ酢酸を用いるmodified Polonovskし反応を行った後、塩化第二銅存在下酸素酸化を行うことによってUS-9を合成することが出来た。US-7およびUS-8はUS-6のC-15位にメトキシアクリルエステル残基を有する化合物であり、互に立体異性体の関係にある。これらについても合成の試みを行った。
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