研究概要 |
1.このベンズアゼピンの新合成法を利用して、アルカロイド、セファロタキシンの合成研究を行った。先づ文献に従って合成した6-(3,4-methylenedioxypheny1)-1-azaspiro[4.5]dec-8-eneから誘導されるα-スルフィニルアセトアミドをB法を用いて環化すると、期待するベンズアゼピノン誘導体が得られた。このシクロヘキセン部分を5員環に環縮小することを試みたが満足な結果は得られなかった。 2.そこで、シクロヘキセンの代りに最初から5員環を構築することによりセファロタキシンを合成する計画をたてた。即ち、ニトロスチレン誘導体をTrostの反応によってメチレンシクロベンタン誘導体とし、数行程を経て、6-(3,4)-methylenedioxypheny1)-1-azaspiro[4.4]nona-8-oneを得た。このスルフィニルアセトアミド誘導体は環化しなかったが、ケトンをアセトキシル基に変換すると期待通り環化体が得られ、3行程で文献記載の1,3,5,6,9,15-hexahydro-4H-1,3-dioxolo[4.5-h]pyrrolo[2.1-b][3]benzazepin-2(1H),8-doneに導いた。この化合物は既に金沢大学花岡らによって3行程を経てセファロタキシンに導かれているのでここにセファロタキシンの形式合成が完成した。
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