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1988 年度 実績報告書

エンケファリンの立体構造に基づくδ-レセプター選択的モルヒネ不誘導体の分子設計

研究課題

研究課題/領域番号 63571029
研究機関大阪薬科大学

研究代表者

石田 寿昌  大阪薬科大学, 薬学部, 助教授 (00111021)

キーワードエンケファリン / モルヒネ / モルヒネ二量体 / オピオイドレセプター / コンフォメーション / 構造活性相関
研究概要

内因性オピオイドとしてのエンケファリンは、μ-およびδ-レセプターに結合して鎮痛効果を発現するが、代謝酵素により短期間に分解される。一方、外因性のモルヒネはμ-レセプターと結合することにより強力な鎮痛効果を発現するが、その薬物依存性、耽溺性の深刻な副作用を伴う。もしモルヒネ分子をδ-レセプター選択性へ構造変換出来れば、副作用のない持続性鎮痛薬の開発が期待出来る。エンケファリンの立体構造はβ-Turn折れ曲がり構造と逆平行伸長型二量体構造の二種類が存在し、前者はμ-レセプターと、後者はδ-レセプターとの結合に重要な立体構造であることを明らかにした。ついで、モルヒネとエンケファリンのこれら立体構造類似性について分子動力学計算とコンピュータグラフィックスにより解析した。その結果、エンケファリンの折れ曲がり構造はモルヒネ分子と、逆平行伸長型構造はモルヒネ分子の二量体構造と極めて高い構造類似性のあることを明らかにした。ついで、これら知見を基に、一連の-(CH_2)_n-[n=0〜6]基で架橋したモルヒネ二量体を合成すると共に、それらの安定構造をMadel building 並びにエネルギー計算によるコンフォメーション解析により明らかにした。結果として、n=2および3の場合、最も目的に適した二量体と考えられ、これら化合物を大量合成し、マウス輪精管に対する筋収縮抑制能およびラベルリガンドを用いたラット脳への結合能を調べた。結果は、n=2のモルヒネ二量体はモルヒネ分子に比べ有意なδ-レセプター結合の上昇と薬物依存性の抑制を示し、n=3の場合はモルヒネ分子に対するアンタゴニスト活性を示した。この結果は、本研究課題を遂行する為の妥当性、重要性を示唆しており、極めて意義深いと考えられる。現在、n=0〜6のモルヒネ二量体についてより詳細な薬理実験を続行中である。

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] M.Doi.: Biochem.J.251. 581-588 (1988)

  • [文献書誌] T.Ishida.: Biochem.J.255. 621-628 (1988)

  • [文献書誌] S.Yoneda.: FEBS Lett.239. 271-275 (1988)

  • [文献書誌] T.Ishida.: J.Med.Chem.

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公開日: 1990-03-20   更新日: 2016-04-21  

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