研究課題/領域番号 |
63571038
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研究機関 | 神奈川大学 |
研究代表者 |
齋藤 光貫 神奈川大学, 理学部, 教授 (80025717)
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研究分担者 |
市川 厚 京都大学, 薬学部, 教授 (10025695)
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キーワード | ポリ-3-ヒドロキシ酪酸 / ポリ-β-ヒドロキシ酪酸 / PHB / 生分解性ポリマ- / バイオポリマ- / エステラ-ゼ / 菌体外酵素 / Alcaligenes faecalis |
研究概要 |
1.D(-)-3ヒドロキシ酪酸オリゴマ-ヒドロラ-ゼの遺伝子のクロ-ニングならびにその塩基配列の決定:PHB資化菌Alcaligenes faecalis T_1はPHBデポリメラ-ゼの他にD-3-ヒドロキシ酪酸オリゴマ-(水溶性)のみを分解し、PHBは分離しないオリゴマ-ヒドロラ-ゼをも菌体外に分泌する。電気泳動的に均一に精製した酵素の抗体を用いて、λgも11の系でオリゴマ-ヒドラ-ゼ蛋白の発現を行うことにより、クロ-ン化をした。現在その塩基配列を決定中である。 2.A.faecalis T_1PHBデポリメラ-ゼの化学修飾:PHBデボリメラ-ゼの性質のうち、PHBに対する強い吸着力は、PHBを加水分解する上で不可欠である。トリプシンによる限定分解をうけ47Kから42Kにすこし小さくなった酵素は、水溶性オリゴマ-加水分解活性は未処理と同程度あるのに対し、PHB分解活性は完全に消失する。この酵素は活性セリン残基を持ち、ジイゾプロピルフルオロ燐酸(DFP)で修飾され、オリゴマ-ヒドロラ-ゼ活性もPHB分解活性も共に失う。DFPでデポリメラ-ゼで処理し、精製した修飾酵素を用いて、未処理のPHBデポリメラ-ゼのPHB分解に及ぼす影響をみた。修飾酵素は未処理酵素のPHB分解活性を阻害した。また修飾酵素が未処理酵素と同程度にPHB顆粒に吸着することが判った。この結果はPHBデポリメラ-ゼ中にエステル結合を切断するに必要な部位の他に独立してPHBの界面を認識する部位が存在することを、あらためて示唆している。今後PHB界面認識部位のみをブロックするような修飾試薬を捜したい。 3.PHBデポリメラ-ゼのPHB結合部位のオリゴマ-ヒドロラ-ゼへの導入:現在検討中である。
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